
こんにちは。居宅介護支援事業所で一人ケアマネをしているヒトケアです。はじめての方は、「ヒトケアの仕事術」活用ガイドをご覧ください。

令和9年度の介護報酬改定で、居宅介護支援はどう変わりそうなのですか?
令和9年度の介護報酬改定に向けて、社会保障審議会介護給付費分科会では、サービスごとの議論が進んでいます。
第271回(令和8年10月19日開催)では、居宅介護支援・介護予防支援の「論点及び対応案」が示されました。
そこで今回の記事では、資料の「論点及び対応案」に沿って、10の項目をスライドで解説します。

こ新しい資料や最新情報が入り次第、随時更新していきます。
論点①:高齢者像の変化に対応したケアマネジメント推進5件
1特定事業所加算の見直し(Ⅰ)の要件の廃止、(A)の廃止など、4つの見直し案見直し 2医療介護連携の推進連携に関わる加算の課題を踏まえ、医療と介護の連携を更に進める方策を、今後の分科会で議論予定今後議論 3介護予防支援の円滑な実施入院時情報連携加算など4つの加算と同一建物減算を、介護予防支援にも設ける新設 4障害高齢者への支援の強化介護保険と障害福祉サービスを併せて使う利用者の調整業務を評価新たな評価 5主任ケアマネジャーの役割の見直し管理者に主任ケアマネを求めず、5年の実務経験等を有するケアマネとする要件見直し論点②:ケアマネジャーの業務負担軽減2件
6オンラインモニタリングの要件緩和関係者の合意の手続きを柔軟に行える旨を示す手続きの柔軟化 7介護予防支援の業務の簡素化ケアプランの様式について調査研究を行い、在り方を検討検討論点③:制度改正に伴う対応2件
8更新制廃止・法定研修見直しに伴う対応受講者の配置を人員基準で求め、正当な理由なく未受講なら減算減算の新設 9介護予防ケアマネジメントの見直しに伴う対応直接委託の利用者は3分の1を掛けるなど、介護予防支援と同様の取扱いとする取扱いの整理論点④:中山間地域等における適切なケアマネジメント提供体制の確保1件
10中山間地域等における適切なケアマネジメント提供体制の確保地域の状況に応じたケアマネジメント提供体制の確保策を、サービス提供体制の構築に関する分科会で議論予定今後議論1.令和9年度介護報酬改定のスケジュール

見直し案は、いつ頃決まるのですか?

厚生労働省が示したスケジュール案では、令和8年12月中にとりまとめ、令和9年1月頃に諮問・答申という流れです。
居宅介護支援の論点と対応案は、第271回(令和8年10月19日)の分科会で示されました。
なお、基準に関しては、地方自治体の条例の制定・改正に要する期間を踏まえて、先行してとりまとめるとされています。
参照:令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)(第256回介護給付費分科会 資料4) p.2
2.論点及び対応案
資料では、居宅介護支援・介護予防支援の論点が、次の4つに分けて示されています。
この論点の項目と対応案(5件)
1特定事業所加算の見直し論点特定事業所加算(Ⅰ)と(A)は、事業所ベースの算定率が2%を下回っている対応案(Ⅰ)の要件の廃止、(A)の廃止など、4つの見直し案見直し 2医療介護連携の推進論点医療と介護の連携が一層求められる中、連携に関わる加算に、算定できないケースがあるなどの課題がある対応案今後の分科会で、説明・議論する予定今後議論 3介護予防支援の円滑な実施論点介護予防支援の指定を受けている居宅介護支援事業所は、事業所ベースで約2割対応案入院時情報連携加算など4つの加算と同一建物減算を、介護予防支援にも設ける新設 4障害高齢者への支援の強化論点障害福祉サービス事業者だけでなく、市町村の障害福祉担当窓口等との様々な調整が追加で必要になっている対応案介護保険と障害福祉サービスを併せて使う利用者の調整業務を評価新たな評価 5主任ケアマネジャーの役割の見直し論点主任ケアマネが事務的な管理業務に時間を費やし、現場の指導が十分にできていないとの指摘がある対応案管理者に主任ケアマネを求めず、5年の実務経験等を有するケアマネとする要件見直し①特定事業所加算の見直し
特定事業所加算の見直し
算定率が2%を下回っている
(Ⅰ)は主任ケアマネの手厚い配置等を評価する加算、(A)は小規模事業所でも事業所間連携で体制を確保する事業所を評価する加算です。
要介護度による時間の差が小さい
要介護1・2の利用者と、要介護3・4・5の利用者とで、労働投入時間に大きな差が見られなくなっているとされています。
介護保険外のサービスの環境が変化
「福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業」は、頼れる身寄りがいない高齢者等を支える事業です。日常生活の支援や入院・入所の手続支援、死後の事務支援などを、無料または低額で提供します。こうしたサービスとの連携も重要になっているとされています。
質の高いケアマネジメントを、どう評価するか
質の高いケアマネジメントの実施を評価するために、どのような対応が考えられるか。
(Ⅰ)の要件のうち、1つを廃止
中重度者に係るケアマネジメントの業務負担の現状を踏まえた案です。現在の特定事業所加算(Ⅰ)は、1月につき519単位です。
特定事業所加算(A)は廃止
(A)は算定事業所が少なく、創設当初の目的を達せられていないと考えられるとされています。
他事業所との連携を、上位の区分でも
より上位の加算区分への移行を促し、事業所の負担を軽減する観点から示されています。
計画への位置づけから、地域での連携体制へ
介護保険外のサービスを巡る環境の変化を踏まえた案です。
(A)を算定しない理由は、連絡体制と人員配置
24時間連絡体制の確保や、手厚い人員配置の困難を挙げている事業所が多いとされています。
- 特定事業所加算(Ⅰ)の要件の見直し案
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋5ページ) - 特定事業所加算(A)の廃止案
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋4ページ) - 他事業所との連携を上位の加算区分でも認める案
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋3ページ) - 地域の連携体制を特定事業所加算の要件にする案
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋4ページ)
②医療介護連携の推進
医療介護連携の推進
医療と介護の連携が、一層求められる
これまでも入院時情報連携加算や通院時情報連携加算、ターミナルケアマネジメント加算などで、医療機関との連携を評価してきたとされています。
連携に関わる加算の課題(1)
カンファレンス加算
連携に関わる加算の課題(2)
マネジメント加算
医療介護連携加算
医療と介護の連携を、どう進めるか
医療・介護の関係者、関係機関間の情報提供や共有、相互の理解といった連携を更に推進するために、どのような方策が考えられるか。
対応案は、今後の分科会で議論
資料に示されている予定です。
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋1ページ)
③介護予防支援の円滑な実施
介護予防支援の円滑な実施
居宅介護支援事業者も、指定を受けられるように
地域包括支援センターの業務負担軽減を進めるための見直しです。
指定は、まだ広がっていない
居宅介護支援事業者の指定を、どう進めるか
居宅介護支援事業者による指定を更に進めていくため、どのような方策が考えられるか。
居宅介護支援にある5つを、介護予防支援にも
- 加算入院時情報連携加算
- 加算退院・退所加算
- 加算通院時情報連携加算
- 加算緊急時等居宅カンファレンス加算
- 減算同一建物減算
居宅介護支援にあるこの5つを、介護予防支援にも設けることとしてはどうかとされています。
理由と、今後の議論
指定を受けた事業所が感じた効果
居宅介護支援事業所のうち、介護予防支援の指定を受けている事業所に聞いた調査です。
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋5ページ)
④障害高齢者への支援の強化
障害高齢者への支援の強化
65歳以上の障害者の、サービスの使い方
介護保険サービスを利用しつつ、障害固有のサービスも利用する場合等です。高齢者が抱える課題が複雑化、複合化する中で生じている状況とされています。
調整先が増えている
障害福祉サービス事業者だけでなく、市町村の障害福祉担当窓口等との様々な調整が、追加で必要になっているとされています。
ケアマネの調整業務を評価する
評価の方法(加算の名称や単位数など)は、まだ示されていません。
障害福祉サービスを併用する人は、時間が多くかかる
障害福祉サービスを利用する人については、労働投入時間が1割程度多くなっているとされています。
連絡にかかる時間も、差が出ている
連絡には、電話・FAX・E-mail・ICT機器等によるものを含みます。
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋3ページ)
⑤主任ケアマネジャーの役割の見直し
主任ケアマネジャーの役割の見直し
管理者の要件は、どう議論されてきたか
2つの業務の、役割分担が課題
ケアマネジャーの育成
令和7年12月の介護保険部会の意見書では、主任ケアマネが本来の役割を発揮できるよう環境整備が必要とされ、この2つの業務の役割分担が課題とされました。管理者要件も、引き続き介護給付費分科会で検討することが適当とされています。
管理者の要件を、どう考えるか
主任ケアマネジャーの役割や専門性を踏まえるとともに、適切な居宅介護支援の提供を確保するため、居宅介護支援事業所の管理者要件についてどのように考えるか。
管理者に、主任ケアマネであることは求めない
地域の関係者との連絡調整の中心となる主任ケアマネの業務と、管理者の業務との役割分担の観点から示された案です。管理者には、居宅介護支援の質の確保の観点から、5年の実務経験等を求めるとされています。
今の管理者は、どんな人が多いか
5年以上の管理者
である管理者
令和7年10月1日現在の調査です。
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋5ページ)
⑥オンラインモニタリングの要件緩和
オンラインモニタリングの要件緩和
ケアマネジャーを取り巻く状況
質の高いケアマネジメントのため、ICTの活用等による業務の効率的な実施と、業務の実態に応じた報酬上の評価が必要とされています。
オンラインモニタリングは、普及が進んでいない
オンラインモニタリングは、令和6年度改定で認められました。実施しない理由は「要件を満たす利用者がいないため」が最も多かったとされています。
業務負担の軽減と報酬上の評価を、どう行うか
ケアマネジャーの業務負担を軽減するとともに、適切な報酬上の評価を行うため、どのような方策が考えられるか。
合意を得る要件は、手続きを柔軟に
02 テレビ電話装置等で意思疎通ができること(家族のサポートがある場合も含む)
03 把握できない情報は、担当者から提供を受けること
具体的な方法は、まだ示されていません。
実施しない理由に多かったもの
「要件を満たす利用者がいないため」が最も多かったとされています。
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋5ページ)
⑦介護予防支援の業務の簡素化
介護予防支援の業務の簡素化
介護予防支援のプロセスも、効率化を検討
介護予防支援のプロセスを、どう効率化するか
今後、介護予防支援のプロセスの効率化を図るため、どのような方策が考えられるか。
ケアプランの様式を、調査研究で検討
指定を受けるときの課題
介護予防支援の指定を受けている居宅介護支援事業所に、指定を受けるにあたっての課題を聞いた調査です。
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋3ページ)
⑧更新制廃止・法定研修見直しに伴う対応
更新制廃止・法定研修見直しに伴う対応
ケアマネの更新制が廃止される
令和8年6月に成立した「社会福祉法等の一部を改正する法律」による介護保険法の改正です。
資格と研修は、こう変わる
更新制に紐付く研修は、時間的・経済的な負担が大きいとの声があったとされています。
事業者にも、新たな義務
施行日は、法律の公布後1年6月以内に政令で定める日です。
3つの対応案
他のサービスでも同様に
02 管理者の責務
同様としてはどうかとされています。
今の更新研修は、32時間
合計32時間の研修を、決められた日(概ね4〜9日前後)に受講する仕組みです。
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋3ページ)
⑨介護予防ケアマネジメントの見直しに伴う対応
介護予防ケアマネジメントの見直しに伴う対応
市町村から、直接委託を受けられるように
令和8年6月に成立した法改正で、可能になりました。地域包括支援センターと居宅介護支援事業所の協働・役割分担をさらに進めるための見直しです。
担当件数の数え方を、決める必要がある
直接委託が可能となった法改正を踏まえた内容です。
利用者数に、3分の1を掛ける
「介護予防支援を実施する場合と同様の取扱い」としてはどうかとされています。
介護予防支援も、今は3分の1
資料6の参考資料では、現在も居宅介護支援の取扱件数には、介護予防支援の利用者数を3分の1とした件数を含むとされています。
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋3ページ)
⑩中山間地域等における適切なケアマネジメント提供体制の確保
中山間地域等における適切なケアマネジメント提供体制の確保
全体では、人材確保が喫緊の課題
中山間・人口減少地域では、さらに深刻に
地域に応じた提供体制を、どう確保するか
中山間地域等を含め、それぞれの地域の状況に応じて、適切なケアマネジメント提供体制を確保していくため、どのような方策が考えられるか。
対応案は、今後の分科会で議論
資料に示されている予定です。
従事者数は、横ばい傾向
居宅介護支援・介護予防支援・その他の合計です。従事者数は横ばい傾向にあるとされています。
参照:居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6 抜粋2ページ)
3.参考資料
この記事は、次の資料をもとに作成しています。
居宅介護支援に関する新しい資料が出たら、この記事に追記していきます。
- 居宅介護支援・介護予防支援(第271回介護給付費分科会 資料6)
- 第271回社会保障審議会介護給付費分科会 資料
- 令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)(第256回介護給付費分科会 資料4)
ほかのサービスの論点は、こちらの記事で解説しています。







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