【ひな形・変更同意書あり】2024年度版 居宅介護支援事業所の重要事項説明書の記載項目について解説

ひな形
更新情報(令和6年5月7日)

重要事項説明書変更同意書に関する記事を追加ました。

こんにちは。居宅介護支援事業所で一人ケアマネをしているヒトケア(@hito_care)です。

ケアマネさん
ケアマネさん

重要事項説明書に何を記載したらいいのか分かりません…。

重要事項説明書には、サービスの詳細、費用、権利擁護、苦情対応窓口など、利用者が知っておくべきさまざまな情報が詳細に記載される必要があります。
さらに介護報酬の改定の度に追加項目が増えることから、記載すべき内容に漏れがないか不安に感じているケアマネさんも多いのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、「居宅介護支援事業所の重要事項説明書の記載項目」に焦点を当て、私が作成したひな形を例に解説します。

ヒトケア
ヒトケア

令和6年度介護報酬改定に伴い、重要事項説明書の内容も更新しました。

重要事項説明書の作成や見直しにお悩みのケアマネさんは、ぜひ最後までご覧ください。

【令和6年度版】居宅介護支援事業所 重要事項説明書ひな形(サンプル)ダウンロード

有料版の重要事項説明書ひな型はこちらからダウンロードできます。

令和3年度介護報酬改定で義務化された「BCP(業務継続計画)」「高齢者虐待防止の推進」「感染症対策の強化」「ハラスメント防止のための指針」については、以下の記事で解説しています。

令和3年度介護報酬改定の取組確認表※居宅介護支援事業所用 ダウンロード

ケアマネさん
ケアマネさん

そもそも重要事項説明書とはどのような目的で作られるのですか?

契約書と重要事項説明書の違いもよく分かりません。

重要事項説明書の主な目的は、介護サービスの利用者やその家族に対して、事業所の概要、サービスの内容、費用などを明確にし理解を促すことにあります。
介護サービスを利用する際には、重要事項説明書の内容をよく理解した上で契約を結ぶことが重要です。

「重要事項説明書」と「契約書」は異なる役割を持つ文書ですが、両者は密接に関連しています。それぞれの違いについて説明します。

  • 重要事項説明書
    • 目的: 利用者やその家族に対し、介護サービスの内容や条件、費用などを詳細に説明し、理解を促すことを目的としています。
    • 内容: サービスの詳細、費用、権利擁護、苦情対応窓口など、サービス利用に関する重要な情報が含まれます。
    • 役割: 利用者がサービス内容を十分に理解し、納得の上で契約を結ぶための情報を提供します。
  • 契約書
    • 目的: サービス提供者と利用者間の具体的な契約内容を正式に文書化し、双方の権利と義務を明確にすることを目的としています。
    • 内容: サービスの提供条件、契約期間、費用、解約条件、責任範囲など、具体的な契約条項が記載されます。
    • 役割: 正式な契約文書として、サービス提供の法的根拠を提供し、トラブル発生時の対応基準となります。

要するに、重要事項説明書は契約に至る前の段階で提供される情報を整理した文書であり、サービスの全体像を理解するために重要です。それに対して、契約書はそのサービスに関する具体的な契約内容を定めた法的に拘束力のある文書です。
利用者は、重要事項説明書を通じて得た情報を基に、契約書に署名するかどうかを判断します。

重要事項説明書には、以下のような記載項目があります。

【令和6年度版】居宅介護支援事業所の重要事項説明書の記載項目
  1. 担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)
  2. 事業者(法人)の概要
  3. 居宅介護支援事業所の概要
  4. 事業の目的及び運営の方針
  5. 居宅介護支援の内容
  6. 利用料金
  7. 相談・苦情の窓口
  8. 秘密保持
  9. 事故発生時の対応
  10. 医療との連携
  11. 公正中立なケアマネジメントの確保
  12. 虐待防止のための措置
    • (1) 虐待防止委員会の開催
    • (2) 高齢者虐待防止のための指針の整備
    • (3) 虐待防止研修の実施
    • (4) 専任担当者の配置
  13. 業務継続に向けた取り組み
  14. 感染症の予防及びまん延の防止のための措置
  15. 身体的拘束等の原則禁止
  16. 重要事項説明書の説明日
  17. (別途資料)前 6 カ月間のケアプランにおける訪問介護等の利用割合

令和6年度版の重要事項説明書には、以下の項目を追加しました。

ケアマネさん
ケアマネさん

これらの項目は重要事項説明書に必ず記載する必要があるのですか?

テレビ電話装置等を活用したモニタリング(いわゆる「オンラインモニタリング」)を行う際には、実施方法やメリット、デメリットなどについて利用者に文書で説明し、その同意を得ることが必要です。

一方、「業務継続に向けた取り組み(BCP)」「感染症の予防及びまん延の防止のための措置」「身体的拘束等の原則禁止」については、運営基準等において利用者への説明や同意が義務化されているわけではありません。
そのため、各地域のルールや事業所の判断に応じて、これらの内容を重要事項説明書に記載するかご判断ください。

ヒトケア
ヒトケア

皆さんが幅広く使用できるように、これらの内容もひな型に盛り込むことにしました。

担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)の氏名を記載します。

事業者(法人)の概要として、以下の記載をします。

  • 代表者名
  • 所在地
  • 連絡先
  • 代表者名

居宅介護支援事業所の概要として、以下の記載をします。

事業所の所在地として、以下の記載をします。

  • 事業所名
  • 所在地
  • 連絡先
  • 事業所番号
  • 管理者名

事業所の営業日及び営業時間を記載します。
(※)に休日の記載をします。

事業所の職員体制として、以下の職種の「人数」「常勤・非常勤」「備考(※兼務等)」を記載します。

  • 主任介護支援専門員
  • 介護支援専門員
  • 事務職員

事業所がサービスを提供する実施地域を記載します。

事業所の運営規定に記載されている「事業の目的」「運営の方針」を要約して記載します。

居宅介護支援の内容として以下の記載をします。

居宅介護支援の内容として、以下の記載をします。

  • アセスメント
  • サービス調整
  • ケアプラン作成
  • サービス担当者会議
  • モニタリング
  • 給付管理
  • 要介護認定の申請に係る援助
  • 介護保険施設等の紹介
ケアマネさん
ケアマネさん

令和6年度介護報酬改定でオンラインモニタリングの実施が可能になりましたね。

オンラインモニタリングを実施するには以下の要件を満たす必要があります。

  1. 利用者の同意を得ること。
  2. サービス担当者会議等において、次に掲げる事項について主治医、担当者その他の関係者の合意を得ていること。
    • 利用者の状態が安定していること。
    • 利用者がテレビ電話装置等を介して意思疎通ができること(家族のサポートがある場合も含む)。
    • テレビ電話装置等を活用したモニタリングでは収集できない情報について、他のサービス事業者との連携により情報を収集すること。
  3. 少なくとも2月に1回(介護予防支援の場合は6月に1回)は利用者の居宅を訪問すること。
ケアマネさん
ケアマネさん

利用者の同意はどのように得れば良いですか?

利用者からの同意は、文書によって得る必要があります。

厚生労働省より公表された令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)にて、以下の説明がされています。

Q
文書により利用者の同意を得る必要があるが、重要事項説明書等にチェック欄を設けるなどの対応でも差し支えないか。
A

利用者やその家族に対し、テレビ電話装置等を活用したモニタリングについて、そのメリット・デメリットを含め十分に説明した上で、チェック欄にチェックを入れることにより同意を得ることは差し支えない。

ヒトケア
ヒトケア

Q&Aの回答を踏まえて、重要事項説明書に以下の内容を追記しました。

ケアマネは、本来の業務範囲を超えた対応を求められる状況が多々あります。
そのため、居宅介護支援の開始時に重要事項説明書にて、居宅介護支援の業務範囲外の内容について説明することが重要です。
重要事項説明書にケアマネが行うことができないサービスや対応について明確にしておくことで、ケアマネに対する過度な期待や誤解が生じることが防げます。
そして、利用者はケアマネに対して現実的な期待を持つことができ、適切な距離感において良好な信頼関係を築くことができます。

ヒトケア
ヒトケア

利用者や家族にケアマネの役割を正しく理解してもらうことで、ケアマネの業務範囲外のニーズに対して適切なサービスを提案できます。

居宅介護支援の利用料金として以下の記載をします。

また、居宅介護支援は介護保険からの全額給付により自己負担が発生しない旨を記載します。

取扱い件数区分、要介護度別の居宅介護支援料を記載します。

ヒトケア
ヒトケア

令和6年度介護報酬改定により、基本報酬介護支援専門員1人当たりの取扱件数が変更になりました。

居宅介護支援の各種加算の「名称」「料金(単位数)」「算定要件」を記載をします。

ヒトケア
ヒトケア

重要事項説明書ひな型では、加算の説明文を削除した「簡易版」も用意しています。

居宅介護支援の減算として「特定事業所集中減算」「運営基準減算」「高齢者虐待防止措置未実施減算」を記載します。

その他の料金として「交通費」「解約料」の記載をします。

相談・苦情の窓口として、以下の記載をします。

事業所の相談窓口の記載をします。

その他の相談窓口として「保険者」「国民健康保険団体連合会」の連絡先を記載します。

利用者やその家族の個人情報は、介護サービスの提供以外の目的では使用しない旨を記載します。

居宅介護支援の提供により事故が発生した場合の対応や損害賠償等について記載します。

医療との連携として、入院時における医療機関との連携促進訪問介護事業所等から伝達された利用者の口腔や服薬の状態等について、ケアマネから主治の医師等に必要な情報伝達を行う旨を記載します。

公正中立なケアマネジメントの確保として、以下の記載をします。

  • 複数事業所の説明等
  • 前6カ月間のケアプランにおける訪問介護等の利用割合
ケアマネさん
ケアマネさん

令和6年度から前6カ月間のケアプランにおける訪問介護等の利用割合の説明は努力義務になりますよね?

ヒトケア
ヒトケア

仰る通りです。

一方、私がXで行ったアンケートでは、約3割のケアマネさんが令和6年4月以降も利用者への説明を行うと回答されていました。

そのため、【令和6年度版】居宅介護支援事業所 重要事項説明書ひな形には、当該説明の記載が「あり」の完全版と「なし」の簡易版の両方のバージョンを用意しています。

高齢者虐待防止法の実効性を高め、利用者の尊厳の保持・人格の尊重が達成されるよう、虐待防止に関する下記の措置を記載します。
(1) 虐待防止委員会の開催
(2) 高齢者虐待防止のための指針の整備
(3) 虐待防止研修の実施
(4) 専任担当者の配置

業務継続に向けた取り組み(BCPの策定及び研修、訓練の実施)について記載します。

感染症の発生及びまん延防止に関する下記の措置を記載します。
(1) 感染対策委員会の開催
(2) 感染症及びまん延防止のための指針の整備
(3) 感染症及びまん延防止のための研修及び研修の実施
(4) 専任担当者の配置

身体的拘束等の原則禁止について記載します。

重要事項説明書の説明日の記入及び利用者(代理人)の署名欄です。

別途資料として、前6カ月間のケアプランにおける訪問介護等の利用割合等を記載します。

前6カ月間のケアプランにおける訪問介護等の利用割合等の集計期間を記載します。

  • 前期:3月1日から同年8月31日まで
  • 後期:9月1日から翌年2月末日まで

前6ヶ月間に作成したケアプランにおける、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与の各サービスの利用割合について記載します。

前6ヶ月間に作成したケアプランにおける、訪問介護、通所介護、地域密着型 通所介護、福祉用具貸与の各サービスごとの、同一事業者によって提供されたものの割合について記載します。

令和6年度介護報酬改定に伴い、利用者に対して重要事項説明書に関する変更内容の説明、同意を得る必要があります。

ヒトケア
ヒトケア

重要事項説明書変更同意書(ひな形)の内容は以下のとおりです。

居宅介護支援費の料金変更について説明します。

入院時情報連携加(Ⅰ)(Ⅱ)の料金変更について説明します。

高齢者虐待防止未実施減算について説明します。

テレビ電話装置等を活用したモニタリングの実施(オンラインモニタリング)について説明します。

虐待防止のための措置について説明します。

業務継続に向けた取り組みについて説明します。

感染症の予防及びまん延の防止のための措置について説明します。

身体的拘束等の原則禁止について説明します。

重要事項説明書変更同意書の最後に説明・同意日及び事業者、利用者双方の氏名を記載します。

今回の記事では、居宅介護支援事業所における重要事項説明書に必要な項目について解説しました。
利用者は重要事項説明書を通じて、サービスの詳細、費用、権利擁護、苦情対応窓口などを理解したうえで契約を締結することができます。

また、重要事項説明書に居宅介護支援(ケアマネ)のできること、できないことを明記することで、ケアマネへの誤解や不満を防げます。
それにより、利用者とケアマネジャーの間で業務範囲の透明性が確保され、利用者は適切なサービスを求めることができます。

今回解説した重要事項説明書の内容が利用者、事業者(ケアマネ)の信頼関係構築につながるものとなれば幸いです。

ケアマネさん
ケアマネさん

利用者さんやご家族はもちろん、私達ケアマネにとっても安心できる重要事項説明書を作りたいですね!

  • 【令和6年度版】居宅介護支援事業所 重要事項説明書のひな形(Word)
  • 【令和6年度版】介護報酬改定に伴う重要事項説明書の変更同意書(Word)

を作成しました。

(1)【令和6年度版】居宅介護支援事業所 重要事項説明書のひな形(Word)

【令和6年度版】介護報酬改定に伴う重要事項説明書の変更同意書(Word)

有料版の重要事項説明書ひな型は、以下の2種類のダウンロードが可能です。

  1. 【令和6年度版】居宅介護支援事業所 重要事項説明書ひな形(完全版)
  2. 【令和6年度版】居宅介護支援事業所 重要事項説明書ひな形(簡易版)
    ※簡易版は以下の内容が削除されています。
    ・加算の説明文
    ・前6カ月間のケアプランにおける訪問介護等の利用割合


Wordでの編集可能な【令和6年度版】居宅介護支援事業所 重要事項説明書のひな形の購入方法は、以下の3つがあります。

  1. ブログ
  2. note
  3. 銀行振込
    ※有料コンテンツに関する「よくあるご質問(FAQ)」はこちらをご覧ください。

1.ブログ
この記事の最後から直接購入できます。
※codocのアカウント登録が必要です。

2.note
以下のnoteの記事から購入できます。
※noteのアカウント登録が必要です。
PayPayで購入できます。

3.銀行振込※ゆうちょ銀行
以下の「有料コンテンツ購入申請フォーム」に必要事項を入力のうえ送信いただくと、「振込口座のご案内」メールが自動送信されます。
有料コンテンツ購入申請フォーム

ヒトケア
ヒトケア

オリジナルコンテンツ一覧の記事からは、「重要事項説明書 ひな形」を含む全ての有料コンテンツをセット販売しています。

codocでの記事購入の仕方は、以下の動画とPDFファイルをご参考になさってください。

記事購入の説明(PDF)

codocアカウントをお持ちでない方は「会員登録して決済」を選択してください。

※「会員登録しないで決済」の場合、記事がメール配信となり、ファイルのダウンロードができません。

編集可能な【令和6年度版】居宅介護支援事業所 重要事項説明書ひな形・変更同意書の購入は、こちらからどうぞ

コメント