こんにちは。居宅介護支援事業所で一人ケアマネをしているヒトケア(@hito_care)です。
すみません、「適切なケアマネジメント手法」とは一体何でしょうか?
皆さんは「適切なケアマネジメント手法」についてご存知でしょうか?
「適切なケアマネジメント手法」とは、介護支援専門員の先輩たちが蓄積してきた知見に基づき、想定される支援を体系的にまとめ、アセスメント /モニタリングの項目を整理したものです。
ちょっと何言ってるか分からないので、もう少し詳しく教えてください。
ベテランのケアマネさんであれば、これまでの知識や経験から、インテークの段階で「こんな支援が必要だろう」という「想定される支援」を思い浮かべていることでしょう。
このような「想定される支援」の見立ては、ベテランケアマネ一人ひとりが様々なケースを通じて身につけた“職人技”といえます。
しかし、それらの“職人技”は、言語化することが難しいことから、ベテランケアマネ達が培ってきた知見の共有化が図れずにいました。
そのため、厚生労働省などからは「ケアマネによってケアマネジメントの質にばらつきがある」という指摘がありました。
そこで、ベテランケアマネ達が培った知識や経験を体系化し、どのケアマネが担当しても一定以上の水準のケアマネジメントを提供できることを目指しました。
その手法が、今回紹介する「適切なケアマネジメント手法」です。
何だか難しそうで理解ができるか心配です。
この記事では以下の資料を参照しながら、「適切なケアマネジメント手法」が、いちから理解できる内容にしました。
この記事を通じて、「適切なケアマネジメント手法」を一緒に学んでいきましょう。
ケアマネジメントプロセスにおける業務効率化と支援の質を高める方法は、以下の記事で解説しています。
- 1.適切なケアマネジメント手法を活用する意義
- 2.「適切なケアマネジメント手法」の構造
- 3.【アンケート】「適切なケアマネジメント手法」の活用状況
- 4.「基本ケア」の「想定される支援」
- (1)疾患管理の理解の支援
- (2)併存疾患の把握の支援
- (3)口腔内の異常の早期発見と歯科受診機会の確保
- (4)転倒・骨折のリスクや経緯の確認
- (5)望む生活・暮らしの意向の把握
- (6)一週間の生活リズムとその変化を把握することの支援
- (7)食事及び栄養の状態の確認
- (8)水分摂取状況の把握の支援
- (9)コミュニケーション状況の把握の支援
- (10)家庭や地域での活動と参加の状況及びその環境の把握の支援
- (11)口腔内及び摂食嚥下機能のリスクの予測
- (12)転倒などのからだに負荷の掛かるリスクの予測
- (13)感染症の早期発見と治療
- (14)緊急時の対応
- (15)本人の意思を捉えるためのエピソード等の把握
- (16)日常生活における意向の尊重
- (17)意思決定支援の必要性の理解
- (18)意思決定支援体制の整備
- (19)将来の生活の見通しを立てることの支援
- (20)フレイル予防のために必要な食事と栄養の確保の支援
- (21)水分の摂取の支援
- (22)口腔ケア及び摂食嚥下機能の支援
- (23)継続的な受診・療養の支援
- (24)継続的な服薬管理の支援
- (25)体調把握と変化を伝えることの支援
- (26)フレイルを予防するための活動機会の維持
- (27)継続的なリハビリテーションや機能訓練の実施
- (28)感染症の予防と対応の支援体制の構築
- (29)一週間の生活リズムにそった生活・活動を支えることの支援
- (30)休養・睡眠の支援
- (31)口から食事を摂り続けることの支援
- (32)フレイル予防のために必要な栄養の確保の支援
- (33)清潔を保つ支援
- (34)排泄状況を確認して排泄を続けられることを支援
- (35)喜びや楽しみ、強みを引き出し高める支援
- (36)コミュニケーションの支援
- (37)本人にとっての活動と参加を取り巻く交流環境の整備
- (38)持っている機能を発揮しやすい環境の整備
- (39)本人にとっての活動と参加を取り巻く交流環境の整備
- (40)家族等の生活を支える支援及び連携の体制の整備
- (41)将来にわたり生活を継続できるようにすることの支援
- (42)本人や家族等にかかわる理解者を増やすことの支援
- (43)本人を取り巻く支援体制の整備
- (44)同意してケアに参画するひとへの支援
- 5.「疾患別ケア」の「想定される支援」
- 【おわりに】テクノロジーの活用が「適切なケアマネジメント手法」を進化させる
1.適切なケアマネジメント手法を活用する意義
「適切なケアマネジメント手法」を使う意義として、以下の3つが挙げられます。
(1)アセスメントやモニタリング時における情報収集の抜け漏れを防ぐ
アセスメントやモニタリングを行う際に、適切なケアマネジメント手法を参照することで、
「この項目の視点が抜けていた」
「この項目は十分に情報収集できていなかった」
といった情報収集の抜け漏れを防ぐことができます。
(2)多職種連携が促進される
「適切なケアマネジメント手法」は、「基本ケア」だけでも想定される支援内容が44項目もあります。これらの情報をケアマネジャーが一人で網羅することは現実的ではありません。
そこで「適切なケアマネジメント手法」では、各項目ごとに「相談すべき専門職」が示されています。
これにより、どの情報を誰と連携・共有するべきかを理解しやすくなり、多職種連携の促進につながることが期待できます。
(3)ケアプランの見直しがしやすくなる
「適切なケアマネジメント手法」の自己点検シートを活用することで、各項目毎に、以下の検討ができます。
- 現時点で支援が必要か
- 支援内容の見直しの必要性があるか
- 追加すべき支援内容
- 縮小すべき支援内容
このプロセスにより、支援内容の各視点を個別に精査し、利用者の状態やニーズの変化に応じたケアプランの見直しがしやすくなります。
2.「適切なケアマネジメント手法」の構造
「適切なケアマネジメント手法」はどのような構造になっているのですか?
「適切なケアマネジメント手法」は、「基本ケア」と「疾患別ケア」という2階建ての構造になっています。
(1)基本ケア:高齢者の機能・整理
「基本ケア」は、利用者が有する疾患や状態によらず、共通して重視すべき事項(44項目)が整理されています。
「基本ケア」は、利用者の生活の基盤を整えるための基礎的な視点をまとめたもので、以下の3つの基本方針が柱になっています。
Ⅰ.尊厳を重視した意思決定の支援
Ⅱ.これまでの生活の尊重と継続の支援
Ⅲ.家族等への支援
(2)疾患別ケア:疾患に応じて留意すべき内容の詳細
「疾患別ケア」は、疾患に特有な検討の視点あるいは可能性が想定される支援内容を整理しています。
「疾患別ケア」は、以下の5つが体系化されいます。
(3)「基本ケア」と「疾患別ケア」はセットで活用する
「基本ケア」と「疾患別ケア」の2つは、必ず組み合わせて使う必要があります。
はじめに「基本ケア」をしっかりと押さえたうえで、「疾患別ケア」を組み合わせていきましょう。
(4)「基本ケア」と「疾患別ケア」の階層構造
「基本ケア」と「疾患別ケア」は、以下の図の階層構造となっています。
(5)想定される支援内容からアセスメント/モニタリング項目がつながっている
「適切なケアマネジメント手法」では、「基本ケア」及び「疾患別ケア」において、
①想定される支援内容
②支援の概要、必要性
③適切な支援内容とするための関連するアセスメント/モニタリング項目等
を一体的に整理しています。
「基本ケア」「疾患別ケア」の項目一覧は、以下をご覧ください。
- 基本ケア(PDF)
- 疾患別ケア
3.【アンケート】「適切なケアマネジメント手法」の活用状況
「適切なケアマネジメント手法」を実際に活用しているケアマネさんはどの程度いるのでしょうか?
2024年6月に私がX(旧Twitter)で行った、「適切なケアマネジメント手法」の活用状況に関するアンケート結果は以下のとおりです。
アンケート結果から、「適切なケアマネジメント手法」の活用率が低く、認知度も十分ではないことが分かります。
しかし、2024年度からは介護支援専門員の法定研修に「適切なケアマネジメント手法」に関する内容が追加されました。
さらに、昨年10月には「適切なケアマネジメント手法」の要素を取り入れた、課題分析標準項目の改正が行われました。
そのため、今後は「適切なケアマネジメント手法」の認知度が向上し、より多くのケアマネジャーが実践に取り入れる可能性があります。
課題分析標準項目の改正内容に対応したアセスメントシートは、以下の記事からダウンロード可能です。
4.「基本ケア」の「想定される支援」
ここからは以下の資料を用いて、「基本ケア」における「想定される支援」の各項目を紹介します。
(1)疾患管理の理解の支援
(2)併存疾患の把握の支援
(3)口腔内の異常の早期発見と歯科受診機会の確保
(4)転倒・骨折のリスクや経緯の確認
(5)望む生活・暮らしの意向の把握
(6)一週間の生活リズムとその変化を把握することの支援
(7)食事及び栄養の状態の確認
(8)水分摂取状況の把握の支援
(9)コミュニケーション状況の把握の支援
(10)家庭や地域での活動と参加の状況及びその環境の把握の支援
(11)口腔内及び摂食嚥下機能のリスクの予測
(12)転倒などのからだに負荷の掛かるリスクの予測
(13)感染症の早期発見と治療
(14)緊急時の対応
(15)本人の意思を捉えるためのエピソード等の把握
(16)日常生活における意向の尊重
(17)意思決定支援の必要性の理解
(18)意思決定支援体制の整備
(19)将来の生活の見通しを立てることの支援
(20)フレイル予防のために必要な食事と栄養の確保の支援
(21)水分の摂取の支援
(22)口腔ケア及び摂食嚥下機能の支援
(23)継続的な受診・療養の支援
(24)継続的な服薬管理の支援
(25)体調把握と変化を伝えることの支援
(26)フレイルを予防するための活動機会の維持
(27)継続的なリハビリテーションや機能訓練の実施
(28)感染症の予防と対応の支援体制の構築
(29)一週間の生活リズムにそった生活・活動を支えることの支援
(30)休養・睡眠の支援
(31)口から食事を摂り続けることの支援
(32)フレイル予防のために必要な栄養の確保の支援
(33)清潔を保つ支援
(34)排泄状況を確認して排泄を続けられることを支援
(35)喜びや楽しみ、強みを引き出し高める支援
(36)コミュニケーションの支援
(37)本人にとっての活動と参加を取り巻く交流環境の整備
(38)持っている機能を発揮しやすい環境の整備
(39)本人にとっての活動と参加を取り巻く交流環境の整備
(40)家族等の生活を支える支援及び連携の体制の整備
(41)将来にわたり生活を継続できるようにすることの支援
(42)本人や家族等にかかわる理解者を増やすことの支援
(43)本人を取り巻く支援体制の整備
(44)同意してケアに参画するひとへの支援
5.「疾患別ケア」の「想定される支援」
(1)脳血管疾患のある方のケア
脳血管疾患は再発しやすい疾患であり、再発すると入院を含めて状態が悪化しやすい傾向があります。
そのため、本人のQOLの維持・向上および再発予防の観点から、退院後の生活への移行をできるだけ円滑にすることが大切です。
さらに、退院直後の生活における不安を軽減し、生活が安定してきた先は再発予防に努めることが重要になります。
脳血管疾患のある方のケアは、退院後の時期によって、以下のように分けられています。
脳血管疾患Ⅰ期(病状が安定し、自宅での生活を送ることが出来るようにする時期)
大項目 | 中項目 | 小目標 | 想定される支援 |
---|---|---|---|
1 再発予防 | 1-1 血圧や疾病の管理の支援 | 1-1-1 基本的な疾患管理の支援 | 1 基本的な疾患管理の支援(※) |
1-1-2 血圧等の体調の確認 | 2 目標血圧が確認できる体制を整える | ||
3 家庭(日常)血圧・脈拍等の把握ができる体制を整える | |||
1-1-3 環境整備 | 4 室内気温の調整や気温差の改善ができる体制を整える(※) | ||
1-1-4 その他の基礎疾患の把握と適切な食事の提供 | 5 高脂血症、糖尿病等の個別疾患の管理の支援について別途確認する(※) | ||
1-2 服薬管理の支援 | 1-2-1 服薬支援 | 6 服薬管理の支援(※) | |
1-3 生活習慣の改善 | 1-3-1 脱水予防 | 7 必要水分量と日常の摂取量が把握できる体制を整える | |
8 適切な水分を摂取することの理解をうながす体制を整える | |||
9 自ら水分を摂取できるようにする体制を整える | |||
2 生活機能の維持・向上 | 2-1 心身機能の回復・維持 | 2-1-1 機能訓練(機能障害の回復・改善に向けて) | 10 ADL/IADLの定期的な把握と機能の向上ができる体制を整える(※) |
2-2 心理的回復の支援 | 2-2-1 受容の支援 | 11 受容促進のための働きかけを行う体制を整える | |
12 抑うつ状態の防止、改善が図れる体制を整える | |||
13 リハビリテーションの継続がなされるよう本人の不安を軽減する体制を整える | |||
2-3 活動と参加に関わる能力の維持・改善 | 2-3-1 機能訓練 (残存機能の維持・活用に向けて) | 14 ADL/IADLの状態の定期的な把握と共有がなされる体制を整える(※) | |
15 状態に合ったADL/IADLの機能向上がなされる体制を整える(※) | |||
2-3-2 コミュニケーション能力の改善 | 16 コミュニケーション能力の状況の継続的な把握ができる体制を整える(※) | ||
17 コミュニケーション能力の改 善を図る体制を整える(言語訓練、コミュニケーション手段の検討等)(※) | |||
2-3-3 社会参加の機会の確保 | 18 日常生活(自宅内・自宅外)における役割の回復・獲得がなされる体制を整える(※) | ||
19 外出や交流の機会が確保できる体制を整える(※) | |||
20 新たな価値・機能の獲得がなされる体制を整える | |||
2-4 リスク管理 | 2-4-1 食事と栄養の確保 | 21 必要な栄養量の把握と食事の支援がなされる体制を整える ※誤嚥性肺炎の予防について別途確認 ※基本ケアとも重複するが「リスク評価」結果を踏まえて特に留意して実施 | |
2-4-2 転倒予防 | 22 転倒しにくいよう体の機能あるいは環境整備するための体制を整える(※) |
脳血管疾患Ⅱ期(病状が安定して、個別性を踏まえた生活の充足に向けた設計をする時期)
大項目 | 中項目 | 小目標 | 想定される支援 |
---|---|---|---|
1 継続的な再発予防 | 1-1 血圧や疾病の管理の支援 | 1-1-1 基本的な疾患管理の支援 | 1 基本的な疾患管理の支援(※) |
1-1-2 血圧等の体調の確認 | 2 目標血圧が確認できる体制を整える | ||
3 家庭(日常)血圧・脈拍等の把握ができる体制を整える | |||
1-1-3 環境整備 | 4 室内気温の調整や気温差の改善ができる体制を整える(※) | ||
1-1-4 その他の基礎疾患の把握と適切な食事の提供 | 5 高脂血症、糖尿病等の個別疾患の管理の支援について別途確認する(※) | ||
1-2 服薬管理の支援 | 1-2-1 服薬支援 | 6 服薬管理の支援(※) | |
1-3 生活習慣の改善 | 1-3-1 脱水予防 | 7 自ら水分を摂取できることが維持できる体制を整える | |
2 セルフマネ ジメントへの移行 | 2-1 心身機能の見直しとさらなる回復・維持 | 2-1-1 機能訓練 (機能障害の回復・改善に向けて) | 8 ADL/IADLの定期的な把握と機能の向上ができる体制を整える(※) |
2-2 心理的回復の支援 | 2-2-1 受容の支援 | 9 受容促進のための働きかけの確認と継続的な支援体制を整える | |
10 抑うつ状態の防止、改善の確認と継続的な支援体制 を整える | |||
11 リハビリテーションの継続がなされるよう本人の不安を軽減する体制を整える | |||
2-2-2 行動変容の状況の確認と継続的な支援 | 12 新たな価値・機能の獲得の支援(落胆体験の繰り 返し、残存機能と回復機能の限界を見つめることの支援)体制を整える | ||
13 セルフケマネジメントに向けたリハビリテーションの継続がなされるよう本人の不安を軽減する体制を整える | |||
2-3 活動と参加に関わる能力の維持・改善 | 2-3-1 機能訓練 (残存機能の維持・活用に向けて) | 14 ADL/IADLの状態の定期的な把握と共有がなされる体制を整える(※) | |
15 状態に合ったADL/IADLの機能向上がなされる体制を整える(※) | |||
2-3-2 コミュニケーション能力の改善 | 16 コミュニケーション能力の状況の継続的な把握ができる体制を整える(※) | ||
17 コミュニケーション能力の改善支援(言語訓練、コミュニケーション手段の検討等)の確認と継続的な支援体制を整える(※) | |||
2-3-3 社会参加の機会の確保 | 18 日常生活(自宅内・自宅外)における役割の回復・獲得の支援の確認と継続的な支援体制を整える(※) | ||
19 外出や交流の機会の確保の確認と継続的な支援体制を整える(※) | |||
20 新たな価値・機能の獲得の支援の確認と継続的な支援体制を整える | |||
2-4 リスク管理 | 2-4-1 食事と栄養の確保 | 21 必要な栄養量の把握、食事の支援の確認と継続的な支援体制を整える(※) ※誤嚥性肺炎の予防について別途確認 | |
2-4-2 転倒予防 | 22 転倒しにくいよう体の機能を維持するための支援の確認と継続的な支援体制を整える |
(2)大腿骨頸部骨折のある方のケア
大腿骨頸部骨折の場合、骨折自体はいずれかの時点で治癒しますが、退院直後には生活機能が低下していることが多いため、再骨折の予防と生活機能の早期回復が重要です。
一方で、生活が安定した後は、本人の生活状況を慎重に観察し、セルフマネジメントを促す支援が求められます。
大腿骨頸部骨折のある方のケアでは、退院後の時期によって、以下のように分けられています。
大腿骨頸部骨折Ⅰ期(病状が安定し、自宅での生活を送ることが出来るようにする時期)
大項目 | 中項目 | 小目標 | 想定される支援 |
---|---|---|---|
1 再骨折の予防 | 1-1 転倒予防 | 1-1-1 転倒予防 | 1 転倒した状況や要因の継続的な把握・評価を確認する体制を整える(※) |
2 自らの身体機能(反射、視聴覚等)の理解の支援と指導を受ける体制を整える(※) | |||
3 転倒しにくくするための身体機能の向上ができる体制を整える(※) | |||
1-2 骨粗しょう症の予防 | 1-2-1 服薬支援 | 4 服薬管理の支援(※) | |
1-2-2 治療の継続の支援 | 5 継続的な受診の体制を整える(※) | ||
6 運動・活動の体制を整える(※) | |||
2 骨折前の生活機能の回復 | 2-1 歩行の獲得 | 2-1-1 歩行機能訓練 | 7 歩行機能向上のための訓練ができる体制を整える |
2-1-2 心理的不安の排除 | 8 心理的な不安を小さくするリハビリテーションの継続と生活環境を整備する体制を整える | ||
2-2 生活機能の回復 | 2-2-1 ADL/IADLの回復 | 9 ADL/IADLの定期的な把握と機能の向上ができる体制を整える(※) | |
2-2-2 食事と栄養の確保 | 10 必要な栄養量の把握と食事の支援がなされる体制を整える(※) | ||
2-3 社会参加の回復 | 2-3-1 社会参加の機会の回復 | 11 日常生活(自宅内・自宅外)における役割の回復・獲得がなされる体制を整える(※) | |
12 外出や交流の機会が確保できる体制を整える(※) |
大腿骨頸部骨折Ⅱ期(病状が安定して、個別性を踏まえた生活の充足に向けた設計と、セルフマネ ジメントへの理解の促進を図る時期)
大項目 | 中項目 | 小目標 | 想定される支援 |
---|---|---|---|
1 再骨折の予防 | 1-1 転倒予防 | 1-1-1 転倒しないための身体機能の維持 | 1 転倒した状況や要因の継続的な把握・評価を確認する体制を整える(※) |
1-2 骨粗しょう症の予防 | 1-2-1 服薬支援 | 2 服薬管理の支援(※) | |
1-2-2 治療の継続の支援 | 3 継続的な受診の体制を整える(※) | ||
4 運動・活動の体制を整える(※) | |||
2 セルフマネジメントへの移行 | 2-1 介護給付サービスの終結に向けた理解の促進 (自助・互助への移行) | 2-1-1 ADL/IADLの確認とセルフマネジメントへの移行 | 5 ADL/IADLの定期的な把握と機能の向上ができる体制を整える(※) |
2-1-2 食事と栄養のセルフマネジメントへの移行 | 6 必要な栄養量の把握と食事の支援がなされる体制を整える(※) | ||
2-1-3 環境整備 | 7 自ら活動しやすい環境の整備(室内環境、用具等)ができる体制を整える(※) | ||
2-1-4 社会参加の機会の維持・拡大 | 8 日常生活における生活機能の回復と支援の終結(※) | ||
9 外出や交流の機会の拡大、地域交流への参加の体制を整える(※) |
(3)心疾患のある方のケア
心疾患は繰り返し発症しやすいため、前述の脳血管疾患や大腿骨頸部骨折よりも医療との関わりが強い傾向があります。
そのため、再入院の予防として、かかりつけ医や専門医と連携して医療的なケアが提供される環境を整えることが重要です。
そのうえで、制限がある中でも参加と活動の場面を維持するというバランスが求められます。
状態が徐々に安定し、医療との関わりが弱まる時期もありますが、再発や再入院の可能性が高いため、突然の発症に対する心理的な支援も必要です。
また、ステージによってはエンドオブライフに向けた準備を認識し、検討することも大切です。
心疾患のある方のケアでは、退院後の時期によって、以下のように分けられています。
心疾患Ⅰ期 (退院後の期間が短く、医療との関わりが強い状況にある時期)
大項目 | 中項目 | 小目標 | 想定される支援 |
---|---|---|---|
1 再入院の予防 | 1-1 疾患の理解と確実な服薬 | 1-1-1 基本的な疾患管理の支援 | 1 疾患の理解を支援し、定期的に診察が受けられる体制を整える(※) |
1-1-2 服薬支援 | 2 服薬の必要性や薬の管理を理解し、服薬が確認できる体制を整える(※) | ||
1-1-3 併存疾患の把握と療養の支援 | 3 併存疾患(腎機能の低下にかかわる疾患、糖尿病(糖尿病性症)、その他の疾患など)を把握し療養を支援する体制を整える(※) | ||
1-2 自己管理能力の向上とリスクの管理 | 1-2-1 体重の管理 | 4 体重管理の重要性を理解し、継続的に日々の体重管理ができる体制を整える(※) | |
1-2-2 塩分量・水分量のコントロール | 5 適切な塩分・水分摂取量が理解できる体制を整える | ||
6 食事からの栄養の摂取状況を把握できる体制を整える | |||
7 その人と生活に合った水分の摂取、排泄の状況と変化を把握できる体制を整える | |||
1-2-3 血圧の管理 | 8 血圧のコントロールが継続的に実施される体制を整える | ||
1-2-4 活動制限が 守られることの支援 | 9 活動制限と安静の必要性を本人・家族等が理解し、その制限が守られる体制を整える | ||
1-2-5 急性増悪の予防 | 10 感染症の予防の必要性の理解をうながす体制を整える(※) | ||
1-2-6 非日常的な 活動のリスクの管理 | 11 長時間の活動が必要な場合の注意事項の理解をうながす体制を整える | ||
1-3 療養を続けるための環境・体制の整備 | 1-3-1 負荷のかかる環境の改善 | 12 気温差の縮小(居室と廊下、浴室、洗面所、トイレなど)がなされる体制を整える(※) | |
13 強く負荷がかかるような動作の要因となる環境を把握する体制を整える(※) | |||
2 生活機能の維持・向上 | 2-1 心疾患の状況に応じた生活・暮らし方の支援 | 2-1-1 活動と参加に関わる能力の維持・改善 | 14 本人が望む暮らしの意向の把握と活動・参加の状況を維持・改善する体制を整える |
2-1-2 リハビリテー ションの実施 | 15 医療的なリハビリテーションを受けることができる体制を整える | ||
16 ADL/IADLの定期的な把握と機能の向上ができる体制を整える(※) | |||
2-1-3 入浴習慣の支援 | 17 入浴習慣や入浴環境を把握し、過度におそれることなく適切な入浴を維持できる体制を整える(※) | ||
2-1-4 休養・睡眠の 支援 | 18 休養・睡眠を確保したうえで、睡眠時の状況の変化を把握して必要な支援につなげられる体制を整える(※) | ||
2-1-5 禁煙の実現の支援 | 19 禁煙を実現できる体制を整える | ||
2-1-6 本人・家族等 への生活習慣を変えることの支援 | 20 本人・家族等が生活習慣を変えることを受けいれられるよう支援する | ||
2-2 心理的な支援 | 2-2-1 本人・家族等 の不安の軽減 | 21 精神的な不安を把握し、必要に応じて支援する体制を整える |
心疾患Ⅱ期 (状態が安定から不安定な状況にある時期)
大項目 | 中項目 | 小目標 | 想定される支援 |
---|---|---|---|
1 再入院の予防 | 1-1 疾患の理解と確実な服薬 | 1-1-1 基本的な疾患管理の支援 | 1 疾患の理解を支援し、定期的に診察が受けられる体制を整える(※) |
1-1-2 服薬支援 | 2 服薬の必要性や薬の管理を理解し、服薬が確認できる体制を整える(※) | ||
1-1-3 併存疾患の把握と療養の支援 | 3 併存疾患(腎機能の低下にかかわる疾患、糖尿病(糖尿病性症)、その他の疾患など)を把握し療養を支援する体制を整える(※) | ||
1-2 自己管理能力の向上とリスクの管理 | 1-2-1 体重の管理 | 4 体重管理の重要性を理解し、継続的に日々の体重管理ができる体制を整える(※) | |
1-2-2 塩分量・水分量のコントロール | 5 適切な塩分・水分摂取量の理解をうながす体制を整える | ||
6 食事からの栄養の摂取状況を把握できる体制を整える | |||
7 その人と生活に合った水分の摂取、排泄の状況と変化を把握できる体制を整える | |||
1-2-3 血圧の管理 | 8 血圧のコントロールが継続的に実施される体制を整える | ||
1-2-4 活動制限が 守られることの支援 | 9 活動制限と安静の必要性を本人・家族等が理解し、その制限が守られる体制を整える | ||
1-2-5 急性増悪の予防 | 10 感染症の予防の必要性の理解をうながす体制を整える(※) | ||
1-2-6 非日常的な 活動のリスクの管理 | 11 長時間の活動が必要な場合の注意事項の理解をうながす体制を整える | ||
1-3 療養を続けるための環境・体制の整備 | 1-3-1 負荷のかかる環境の改善 | 12 気温差の縮小(居室と廊下、浴室、洗面所、トイレなど)がなされる体制を整える(※) | |
13 強く負荷がかかるような動作の要因となる環境を把握する体制を整える(※) | |||
2 生活機能の維持 | 2-1 ステージに応じた生活・暮らし 方の支援 | 2-1-1 活動と参加に関わる能力の維持・改善 | 14 本人が望む暮らしの意向の把握と活動・参加の状況を維持・改善する体制を整える |
2-1-2 継続的なリハ ビリテーションの実施 | 15 必要なリハビリテーションとセルフケアを継続できる体制を整える | ||
2-1-3 入浴習慣の支援 | 16 入浴習慣や入浴環境を把握し、過度におそれることなく適切な入浴を維持できる体制を整える(※) | ||
2-1-4 休養・睡眠の 支援 | 17 休養・睡眠を確保したうえで、睡眠時の状況の変化を把握して必要な支援につなげられる体制を整える(※) | ||
2-1-5 禁煙の実現の支援 | 18 禁煙を実現できる体制を整える | ||
2-1-6 本人・家族等 への生活習慣を変えることの支援 | 19 本人・家族等が生活習慣を変えることを受けいれられるよう支援する | ||
2-2 心理的な支援 | 2-2-1 本人・家族等 の不安の軽減 | 20 精神的な不安を把握し、必要に応じて支援する体制を整える | |
3 EOL準備 | 3-1 EOL(エンドオ ブライフ)に向けた準備 | 3-1-1 末期心不全のEOLケアの対応・準備の支援 | 21 末期心不全のEOLケアをどのようにするかの心構えをする支援を行う |
(4)認知症のある方のケア
認知症は幅が広いため、比較的数が多い「アルツハイマー型認知症の診断があり、IADL/ADLは自立あるいは一部介助程度」の状態を念頭に置いています。
ただし、認知症のタイプが変化したり、複数のタイプが併存することもあるため、その点に留意が必要です。
また、将来にわたる生活や介護の領域における支援、特に周囲への支援の必要性が大きいことから、「比較的初期~中期」の状態を想定しています。
目安としては、ADLが自立あるいは一部介助程度であり、認知症高齢者生活自立度でⅡb程度までの時期となります。
大項目 | 中項目 | 小目標 | 想定される支援 |
---|---|---|---|
0 ここまでの経緯の確認 | 0-1 ここまでの経緯の確認 | 0-1-1 認知症と診断されるに至った経緯の把握 | 1 支援の前提としての認知症と診断されるに至った経緯の把握 |
0-1-2 これまでの医療及び他の専門職の関わりの把握 | 2 支援の前提としての医療及び他の専門職の関わりの把握 | ||
1 本人及び家族・支援者の認識の理解 | 1-1 本人と家族・支援者の認識の理解 | 1-1-1 本人や家族・支援者が抱く感情と想いの理解 | 3 本人や家族・支援者が抱く感情や想いを継続的に捉えることの支援 |
1-1-2 本人や家族・支援者の疾患に対する受けとめと認識 | 4 本人に対する受けとめや理解を深める支援 | ||
5 疾患に対する家族・支援者の受け止めや理解を深めることの支援 | |||
1-2 本人と家族・支援者を取り巻く環境の理解 | 1-2-1 変化していくことを念頭に置いた認知症の総合アセスメ ントの実施 | 6 変化していくことを念頭に置いた認知症の総合アセスメントの実施 | |
7 本人を取り巻く人との関係性とその変化の把握 | |||
2 将来の準備としての意思決定の支援 | 2-1 本人の意思決定能力を尊重した意思決定支援 | 2-1-1 意思決定支援の必要性の理解 | 8 意思決定支援の重要性への本人及び家族等の理解をうながす支援体制を整える |
9 意思決定支援に向けて、本人及び家族等に適切な情報が提供される支援体制を整える | |||
2-1-2 本人の意思を捉えるためのエピソード等の把握 | 10 本人の意思を捉えるためのエピソード等の把握 | ||
2-2 意思決定支援体制の整備 | 2-2-1 意思決定支援体制の整備 | 11 意思決定支援体制を整える | |
3 必要に応じた連携体制の構築 | 3-1 必要に応じた連携体制の構築 | 3-1-1 かかりつけ医や専門職等との連携 | 12 かかりつけ医との連携 (※必要に応じて専門医や認知症サポート医等とも連携) |
13 かかりつけ医以外の専門職等との連携 | |||
3-1-2 その他の関係する人との連携 | 14 サービス事業者や地域の関係する人との連携体制を整える | ||
4 基本的な生活の支援 | 4-1 日常生活における本人の意向の尊重 | 4-1-1 日常生活における意向の尊重 | 15 日常生活における意向の表明の支援(※) |
4-2 一週間の生活リズムを支えることの支援 | 4-2-1 一週間の生活リズムと変 化を把握することの支援 | 16 本人の生活のリズムの把握(※) | |
4-2-2 一週間の生活リズムに沿った生活・活動を支えることの支援 | 17 一週間の生活リズムに沿った生活・活動を支援する体制を整える(※) | ||
4-3 日常的に参加する役割を整えることの支援 | 4-3-1 家庭や地域での役割を担い続けるためのADL/IADLの支援 | 18 本人がこれまでに担ってきた家庭や地域での役割と現在の状況の把握(※) | |
19 本人が役割を担い続けるためのリハビリテーションや支援の提供体制の整備(※) | |||
4-3-2 コミュニケーションを取ることの支援 | 20 日常生活においてコミュニケーションを取ることの支援(※) | ||
4-3-3 清潔に関する状況の変化を把握し保つことの支援 | 21 清潔に関する状況の変化を把握し保つことの支援(※) | ||
4-4 体調管理や服薬管理の支援 | 4-4-1 体調の変化を把握し伝えることの支援 | 22 体調管理の支援(※) | |
23 日常と異なる状態の把握とそれを表明することの支援(※) | |||
4-4-2 服薬支援 | 24 薬の管理と服薬を一定の水準で継続できるようにする支援体制を整える(※) | ||
4-5 基本的なセルフケアを継続することの支援 | 4-5-1 水分の摂取の支援 | 25 必要な水分量の把握と必要な水分量を摂取できるようにする支援体制を整える(※) | |
4-5-2 栄養の摂取の支援 | 26 必要な栄養及び日常的な摂取状況(摂取方法を含む)の把握と必要な栄養を摂取することを支援する体制を整える(※) | ||
4-5-3 排泄を続けることの支援 | 27 できるだけ自立した排泄を続けられるようにすることの支援体制を整える(※) | ||
5 これまでの生活の尊重と重度 化の予防 | 5-1 本人の役割の維持・拡充に向けた持っている機能を発揮しやすい環境の整備 | 5-1-1 その人にとっての活動と参加を取り巻く交流環境 | 28 活動と参加を通じた周囲の人びととの日常的な交流環境を実現するための支援(※) |
29 その人にとっての快・不快とその変化の状況の把握(※) | |||
5-1-2 持っている機能を発揮しやすい環境の整備 | 30 状態に合った活動と参加を実現する環境整備(※) | ||
31 新たな役割・機能を獲得することの支援(※) | |||
5-2 合併症や併発 しやすい事故の 予防 | 5-2-1 転倒の予防 の支援 | 32 転倒の予防の支援(※) | |
5-2-2 誤嚥の予防の支援 | 33 誤嚥の予防の支援(※) | ||
6 行動・心理 症状の予防・重度化防止 | 6-1 行動・心理症状の状況と背景要因の把握 | 6-1-1 行動・心理症状の具体的内容を把握する体制の構築 | 34 行動・心理症状の具体的内容を把握する体制を整える |
6-1-2 本人の不安やストレスの把握 | 35 本人の不安やストレスの把握 | ||
6-2 背景要因に対する取り組みの支援 | 6-2-1 背景要因に対する取り組みの支援 | 36 背景要因に対する対応策の実施の支援 | |
37 背景要因に対する家族等の理解を深めることの支援 | |||
7 家族等への対応 | 7-1 家族支援に必要なサービスの調整支援 | 7-1-1 家族等に対する支援の体制の整備 | 38 家族等に対し相談支援が提供される体制を整える(※) |
39 家族等の仕事と生活のリズムが保たれるようにすることの支援(※) | |||
7-1-2 本人や家族等にかかわる理解者を増やすことの支援 | 40 本人や家族等にかかわる理解者を増やすことの支援(※) | ||
7-2 将来にわたり生活を継続できるようにすることの支援 | 7-2-1 将来にわたり生活を継続できるようにすることの支援 | 41 将来にわたり生活を継続できるようにすることの支援(※) |
(5)誤嚥性肺炎の予防のためのケア
誤嚥性肺炎は、ADLや全身機能の低下、特に脳血管障害による嚥下機能障害を背景に発生する肺炎です。
高齢者に多く見られ、発症すると入院のリスクや重症化した場合の死亡リスクが高いという特徴があります。過去に誤嚥性肺炎を発症したことがある人や、総合的なアセスメントの結果、誤嚥性肺炎のリスクが大きいと判断された人については、日常生活において発症予防および再発予防を行うことが重要です。
これらの理由から、「予防」に焦点を当てています。
大項目 | 中項目 | 小目標 | 想定される支援 |
---|---|---|---|
0 誤嚥性肺炎の予防の必要性の理解 | 0-1 誤嚥性肺炎の予防の必要性の理解 | 0-1-1 必要性の理解 | 1 誤嚥性肺炎の予防の必要性の理解 |
1 リスクの(再)評価 | 1-1 リスクの評価 | 1-1-1 誤嚥リスクの評価に資する情報の収集 | 2 日常の健康状態や生活状況の継続的な把握と共有 |
3 かみ合わせや咀嚼及び義歯の状況等の継続的な把握と共有 | |||
4 誤嚥リスクが疑われる出来事の把握 | |||
1-1-2 誤嚥による肺 炎のリスクの 把握 | 5 咳や呼吸、口腔衛生の状況の把握と共有 | ||
2 日常的な発症及び 再発 | 2-1 摂食嚥下機能の支援 | 2-1-1 摂食嚥下機能の改善・維持 | 6 摂食嚥下機能、発声・発話の維持・改善のための支援(※) |
7 口腔乾燥への支援(※) | |||
2-2 リスクを小さくする支援 | 2-2-1 嚥下トラブルなく食事をとることの支援 | 8 食内容の見直しの支援(※) | |
9 食事のとり方や環境の整備(※) | |||
2-2-2 フレイル予防のために必要な栄養の確保 | 10 食事内容と栄養摂取状況の把握と改善(※) | ||
2-2-3 口腔ケアの実施 | 11 口腔ケアの実施(※) | ||
3 再評価 | 3-1 リスクの再評価 | 3-1-1 リスクの再評価 | 12 一定期間ごとのリスクの再評価 |
4 変化を把握したときの対応体制の構築 | 4-1 変化を把握したときの対応体制の構築 | 4-1-1 変化を把握したときの対応体制の構築 | 13 短期的な変化を把握したときの連絡・対応体制の事前検討 |
14 留意すべき兆候を把握し共有する支援体制の整備(※) | |||
4-2 入院後の生活復帰の見通しの共有 | 4-2-1 入院後の生活復帰の見通しの共有 | 15 入退院時における回復後の生活復帰の見通しの共有(※) |
【おわりに】テクノロジーの活用が「適切なケアマネジメント手法」を進化させる
今回は、「適切なケアマネジメント手法」の構成から、「基本ケア」「疾患別ケア」の「想定される支援」まで解説しました。
最後に、私が考える多職種連携において「適切なケアマネジメント手法」を活用するために不可欠な要素についてお伝えします。
それは、ICTやAIなどのテクノロジーの活用です。
ケアマネジャーが全ての領域の知見を身につけ、必要な情報を一人で収集するのは現実的ではありません。そのため、「想定される支援」には、各項目ごとに「相談すべき専門職」が明示されています。しかし、電話やFAXなどのアナログなツールを使っていては、多職種間による円滑な連携を達成することは困難です。
これに対し、チャットツールやクラウドサービス等を活用することで、多職種間での迅速かつ正確な情報共有が可能となり、「適切なケアマネジメント手法」の実践が一層効果的となるはずです。
また、AIを活用することで、膨大なデータの分析や予測が可能となり、ケアマネジャーはより適切な支援が行えるようになります。
関連記事:【専用チャットあり】ケアプラン作成にAIを活用しよう
今後、国が「適切なケアマネジメント手法」を普及する際には、ICTやAIの活用も併せて推進することを期待しています。
AIを活用した適切なケアマネジメント手法を利用したい方は、NPO法人タダカヨ常務理事のヒデデンさんがChatGPTで作成した「AI適切なケアマネジメント手法」をご活用ください。
NPO法人タダカヨが開催している無料のオンラインPC「タダスク」について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
私もタダカヨで講師をしています!
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