こんにちは。居宅介護支援事業所で一人ケアマネをしているヒトケア(@hito_care)です。
はじめての方は、「ヒトケアの仕事術」活用ガイドをご覧ください。

居宅介護支援事業所の独立開業を考えていますが、事務所選びで迷っています。
自宅を事務所にしているケアマネさんもいると聞きました。

居宅介護支援事業所の事務所をどこにするかは悩みますよね。
最初の選択肢としては「自宅」と「貸事務所」があります。
「自宅」と「貸事務所」にはそれぞれメリット、デメリットがあります。
事務所 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自宅 | ・固定費が抑えられる ・通勤から開放される | ・自宅に関係者が来訪することがある ・利用者や関係者に自宅の住所が知られる ・ケアマネを増員する場合は自宅での継続が難しくなる |
貸事務所 | ・公私の区別がつけられる ・ケアマネを増員しても事業所を引っ越す必要がない | ・固定費が掛かる(特に家賃が大きい) ・毎日の通勤がある |
今回の記事では居宅介護支援事業所の事務所選びをするうえで以下のポイントを解説します。
- 固定費
- 公私の区別
- 通勤
- 事業拡大
また、私が実践している「貸事務所」+「自宅(テレワーク)」のハイブリットワークについても解説します。

今回の記事を読んで自分に合った事務所選びをしたいと思います!
ケアマネの独立開業の流れを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
そもそも自宅を事務所にすることは可能なのか?


最初に確認しておきたいのですが、そもそも居宅介護支援事業所を自宅で開業することは可能なのでしょうか?

自宅での開業はもちろん可能です。
ただし、その基準は指定権限を持つ保険者(市区町村)によって違いがあります。
例えば、神奈川県横浜市の居宅サービス事業等における設備等のガイドラインでは、「自宅を事業所とする場合の注意事項」として、次のように示されています。
(4) 自宅を事業所とする場合の注意事項
自宅を事業所とする場合は、営業時間帯は事業所の専有となり、営業時間帯は家族等が使用することはできなくなります。
横浜市健康福祉局介護事業指導課 居宅サービス事業等における設備等のガイドライン
居宅介護支援事業所、訪問介護事業所、訪問看護事業所で、専有部分となるのは事務室、相談室、会議室です。
※ 自宅所有者と開設法人との間で、賃貸借契約又は使用貸借契約の締結が必要となります。
また、今回の記事作成にあたり、自宅開業した地域のケアマネさんから聞き取りをしました。
聞き取りを通して分かったことは「自宅開業には交渉の余地がある」ということです。
あるケアマネさんは、保険者から「自宅と事務所の玄関は別にするように」言われましたが、自宅が戸建てだったため、庭に出る「掃きだし窓」を事務所玄関とすることで認められました。
また、別のケアマネさんは自宅マンションでの開業を保険者に相談したところ「自宅にいる家族が事業と関わりがあれば、玄関は同じで良い」と伝えられました。
そのケアマネさんは、法人設立時の出資者である配偶者(夫)との二人暮らしだったため、自宅マンションでの開業が認められました。

保険者も歩み寄る姿勢が感じられますね。

自宅開業を目指すケアマネさんは、保険者に粘り強く交渉してみましょう。
アンケート:居宅介護支援事業所の事務所は自宅?貸事務所?


独立しているケアマネさん達は、「自宅」と「貸事務所」のどちらが多いのでしょうか?

今回の記事作成にあたり、Twitterで以下のアンケートを実施しました。

「自宅」が37%
「自宅以外(貸事務所)」が63%
やっぱり貸事務所で開業しているケアマネさんが多いのですね。

私の周りで独立しているケアマネさんも「貸事務所」の方が多いですね。
居宅介護支援事業所のテレワーク(在宅勤務)導入のポイントについて知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【自宅?貸事務所?】事務所選びの4つのポイント

ここからは以下の4つのポイントから「自宅」と「貸事務所」双方のメリット、デメリットを解説します。
- 固定費
- 公私の区別
- 通勤
- 事業拡大
ポイント①:固定費を抑えるなら、断然「自宅」
自宅を事務所にする最大のメリットは固定費を抑えられることです。
貸事務所で開業した場合の最大の固定費はやはり家賃です。
私は現在1K(7畳)のアパートを事務所として借りていますが、家賃は月50,000円かかっています。

「自宅開業ならこの固定費が削減できるのに…」と何度も思いました。

自宅開業なら家賃が発生することもないですね。
開業1年目で収入が少ない時期には特に助かりますね!
ポイント②:公私の区別を付けたい人は「貸事務所」
私は賃貸アパートを事務所として構えているため、利用者さんや関係者に自宅が知られることがありません。
一方で、自宅を事務所にしている場合は関係者が営業や実績の提出等で来訪される場合があります。
また、名刺にも事務所(自宅)の住所を載せる必要があるため、利用者さんやご家族に自宅の住所が知られてしまいます。

自宅で開業した知り合いのケアマネさんは「利用者さんとトラブルが起きた時に自宅の住所が知られているのが心配」と話していました。

確かにそれは心配ですね…
ポイント③:「自宅」を事務所にすれば通勤から解放される
ポイント①の固定費削減に匹敵する自宅開業のメリットが「通勤からの解放」です。
私は現在、テレワークも導入していますが、通勤時間がなく自宅ですぐに仕事が開始できるのは大きいです。

私は毎日、午前7時前から自宅で仕事を始めています。
事業所から連絡の来ない午前9時までが仕事に集中できるゴールデンタイムです!

自宅開業やテレワークならそれも実現できますね!
ポイント④:事業拡大(ケアマネ増員)を視野に入れるなら「貸事務所」
将来的に事業拡大(ケアマネ増員)を視野に入れている場合は、初めから貸事務所にすることをオススメします。
なぜなら、事業開始後に事務所の所在地を変更した場合、引っ越しの手間だけでなく
- 保険者への変更届(図面、事業所内外のカラー写真等の提出)
- 利用者、利用者家族、関係者への連絡
等も必要になります。

私は自分の担当件数が増えてきたら、ケアマネさんを採用したいので、最初から貸事務所で開業したいと思います。

しっかり先を見据えていますね!
私のようにケアマネ増員を考えていない方は、自宅開業後に事務所を引っ越す可能性は低いですね。
【私の経験談】事務所(賃貸アパート)選びから現在の働き方について

ここからは私の経験談として、独立準備をしていた頃の事務所選びから現在の働き方についてお話いたします。
貸事務所の間取りは1K7畳
ポイント①でお伝えしたとおり、私は家賃50,000円(1K7畳)のアパートを事務所としてしています。
2015年7月に独立開業して以降、事務所を変えたことはありません。
一人ケアマネであれば1K7畳もあれば十分です。
事務所選びのポイント2つ(日当たりの良さ、角部屋)
私が家賃以外で事務所選びで重視したポイントは以下の2つです。
- 日当たりの良さ
- 角部屋
事務所選びでいくつかの物件を内見して感じたのは、日当たりの重要性です。
建物に囲まれた日当たりの悪い物件の内見した時には「この部屋に一人で長くいると精神的に病んでしまいそう…」と感じました。
それとは対象的に、日当たりの良い物件では中に入った瞬間に「ここなら前向きに働けそうだ!」と直感しました。
角部屋を選んだ理由は、電話の話し声でアパート住民の方に迷惑を掛けないようにするためです。
特に難聴の利用者さんには、かなり大きな声で話す必要があるため、角部屋の方が周りに響くことがないと考えました。
現在は、貸事務所+自宅(テレワーク)のハイブリットワーク
現在の私の働き方は、オフィスワーク(出社型)とテレワーク(在宅型)を組み合わせたハイブリットワークです。
その働き方のきっかけとなったのは、2020年1月からの新型コロナウイルスの流行です。
それまでは事務所に出社する勤務形態でしたが「自分がコロナ陽性になっても自宅で仕事を続けられる環境を作らなければ」と、テレワークの環境整備の必要性を感じました。
そして、2020年の9月頃には事務所と遜色ない環境が整いました。
現在、私の「出社」と「在宅」の割合は、
- 在宅が6~7割
- 出社は3~4割
となっています。
その日の訪問予定によって、在宅と事務所を自由に行き来できるので、居宅介護支援事業所はハイブリットワークが理想形だと実感しています。
まとめ:「自宅」と「貸事務所」のメリット、デメリットを理解して事務所選びをしよう

今回は、居宅介護支援事業所の事務所選びについて解説しました。
居宅介護支援事業所の指定権限を持つのは保険者(市区町村)になります。
自宅開業は保険者によって基準が異なりますので、ご自身の環境(自宅の間取り、家族状況等)で自宅開業できるのか保険者に相談してみましょう。
「自宅」と「貸事務所」双方のメリット、デメリットは以下のとおりです。
事務所 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自宅 | ・固定費が抑えられる ・通勤から開放される | ・自宅に関係者が来訪することがある ・利用者や関係者に自宅の住所が知られる ・ケアマネを増員する場合は自宅での継続が難しくなる |
貸事務所 | ・公私の区別がつけられる ・ケアマネを増員しても事業所を引っ越す必要がない | ・固定費が掛かる(特に家賃が大きい) ・毎日の通勤がある |
理想は「自宅」と「貸事務所」のいいとこ取りをした「ハイブリットワーク」です。
テレワーク環境を整備しておけば、新型コロナウイルス陽性になっても自宅での業務継続が可能になります。

私は貸事務所で事業所を開設して、ケアマネさんを増やしていきたいと思います!
テレワークの環境も整えていきたいです!

今回の記事が独立開業時の事務所選びの参考になれば幸いです。
今後も独立を目指すケアマネさんを応援します
当サイトで販売しているテンプレートの購入方法は、以下の記事で解説しています。
コメント
いつも参考にさせて頂いています。お忙しいところ恐縮ですが質問をさせてください。
ヒトケアさんの事務所は何階にありますか?恐らく保険者によって違うとは思いますが、車いすの方が相談に来られることを想定していないといけないかと思い、階数が高いところだとエレベーターがないと難しいですかね?あと、トイレや玄関などに手すりなどを設置していないと駄目でしょうか?また段差があればスロープなどを用意していないといけないんでしょうか?よろしければ教えて頂けたらと思います。
コメントありがとうございます。
ご質問いただいた内容に関する回答をいたします。
>ヒトケアさんの事務所は何階にありますか?
私の事務所は1階です。
>恐らく保険者によって違うとは思いますが、車いすの方が相談に来られることを想定していないといけないかと思い、階数が高いところだとエレベーターがないと難しいですかね?
おっしゃる通り、2階以上で事務所を構える場合は、エレベーターが設置されていないと保険者から指摘をされると思います。
>トイレや玄関などに手すりなどを設置していないと駄目でしょうか?また段差があればスロープなどを用意していないといけないんでしょうか?
居宅介護支援事業所の事務所で、そこまでの設置は求められないかと思います。
実際、私はバリアフリーとは程遠いアパートを借りて事務所にしていますが、問題なく指定を受けられました。
ご返信ありがとうございます。非常に参考になりました。私もいずれは自由な働き方を目指して独立しようと思います。これからも参考にさせて頂きます。ありがとうございました。