【広告】
こんにちは。居宅介護支援事業所で一人ケアマネをしているヒトケア(@hito_care)です。
はじめての方は、「ヒトケアの仕事術」活用ガイドをご覧ください。

独立をしたいのですが、何から手をつけていいか全く分かりません…。
「自分で居宅介護支援事業所を立ち上げたい」
居宅介護支援事業所で働くケアマネさんなら、一度はそう考えたことがあるかもしれません。
しかし、いざ独立を考え始めると、具体的なステップが分からずに悩まれている方も多いかと思います。
そこでこの記事では、2015年に独立開業した私の経験をもとに、失敗しないための「独立準備のロードマップ」を具体的にお伝えします。


記事の最後にはチェックリストもご用意しています。
独立を目指すケアマネさんは、今回の記事を参考にしていただければ幸いです。
当サイトからダウンロードできる各種テンプレートは、以下の記事にて紹介しています。
1.立ち上げ4ヶ月前にやること
税理士と顧問契約
私が独立開業に向けて最初に行動したこと、それは顧問税理士(会計事務所)との契約でした。
なぜなら、ケアマネ業務には自信があっても、「お金」の管理、つまり会計業務には全く知識がなく、独立する上で最大の不安要素だったからです。
当時の私は、その不安から「会計業務はすべて専門家にお任せしよう」と考え、税理士に丸投げしてしまいました。
ただ、会社の経営状態を把握するためにも、1年目から会計ソフトを導入して会計事務所のアドバイスを受けながら日頃の経理業務をすべきだったと感じています。

簿記3級程度の知識を持っていれば、専門家とのやりとりがスムーズになります。
おすすめの会計ソフトは?

ヒトケアさんが使用している会計ソフトを教えてください。
私が現在使用している会計ソフトは、freee会計【freee会計】です。

freee会計を利用すれば、日々の帳簿付けや毎年の決算書作成はもちろんのこと、freee申告を活用することで、法人税申告書の作成から電子申告まで、自ら行う「セルフ申告」が可能です。

私は独立7年目からfreeeを利用し、電子申告までをすべて一人で行っています。
事務所アパートの物件探し
事務所を自宅でなく賃貸アパート等で行う場合は、立ち上げ4ヶ月前くらいから物件探しを始めましょう。

なぜなら、居住用賃貸物件を事務所として認めてもらえる物件は意外と少ないからです。

不動産会社への最初の相談の段階で、事務所使用が目的であることを伝えましょう。
場所や賃料など、自分の条件に合った物件を見つけるためにも期間に余裕を持って物件探しをしていきましょう。
2.立ち上げ3か月前にやること
会社(法人)設立
法人の選び方(株式会社 vs 合同会社)
介護保険サービスを提供するには、法人格(会社)を持つことが前提となります。

すみません。株式会社と合同会社の違いがよくわかりません。
項目 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
設立費用 | 約25万円〜(定款認証が必要) | 約10万円〜(定款認証不要) |
知名度・信用度 | 高い(取引先によっては好印象) | やや低い(小規模事業向けと見られることも) |
意思決定 | 株主総会と取締役会(煩雑になりやすい) | 社員全員の合意または定款で柔軟に設定可能 |
利益分配 | 出資割合に応じて自動的に決定 | 自由に設定可能(出資割合と無関係も可) |
経営の自由度 | 制限あり(会社法の規定に従う) | 自由度が高い(柔軟な運営が可能) |
向いているケース | 規模拡大・信用重視・融資を受けやすい | 小規模経営・柔軟な運営を重視 |
どちらの法人形態を選ぶかは、今後の事業展開や運営スタイルに応じて判断することが重要です。
特に一人で介護事業を始める場合や、初期費用を抑えたい場合には、合同会社の設立が現実的で柔軟性も高くおすすめです。
一方で、信用力や規模の拡大を見据えるなら、株式会社を選ぶのも一つの方法です。

私は合同会社を設立しましたが、これまで不便を感じたことはありません。
法人設立に必要な書類

法人を設立するには、どのような書類が必要ですか?
法人を設立するには、会社の組織や運営についての根本規則を定めた「定款」を作成する必要があります。
会社を設立するには定款の他にも以下の書類が必要になります。
- 登記申請書
- 登録免許税納付用台紙
- 印鑑届出書(代表者印)
- 代表者の印鑑証明書
- 資本金の払込を証明する書類
などの様々な書類が必要になります。

初めて聞く書類ばかりで、とても1人で作成できる気がしません…。
ヒトケアさんは自分で全て作成、提出したのですか?
私は税理士と顧問契約した際に、税理士の会計事務所と提携している司法書士事務所に依頼をしました。

税理士との顧問契約を条件に無料で会社設立をしてもらえたので、時間と費用の節約ができました。
会社設立は一度しか経験しないことなので、そこに時間を掛けるよりもプロに任せたほうが合理的です。
介護ソフトの選定・申込み
独立後にどの介護ソフトを使用するかによって、日々の業務効率や毎月のコストも変わってきます。

介護ソフトも種類が多すぎてどれを選べばいいか分かりません。

私がオススメするのはカイポケです。
カイポケでは、全くの初心者でも開業の流れをトータルサポートしてくれる「開業支援サービス」があります。
「開業支援サービス」では、独立を目指すケアマネさんに専属のスタッフが開業前から無料でサポートしてくれます。※開業後カイポケのソフトを導入することが条件。
私が2023年2月28日に、Xから行ったアンケートでは、独立した(又は独立準備中)のケアマネさんの約6割がカイポケを利用していました。
カイポケの無料体験の申込みはこちらからどうぞ。
【当サイト限定】このリンクから無料体験開始でAmazonギフト券5,000円プレゼント
※本キャンペーンは【(株)エス・エム・エス】による提供です。
※本キャンペーンについてのお問い合わせはAmazonではお受けしておりません。
※Amazon、Amazon.co.jpおよびそれらのロゴはAmazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
損害賠償保険の加入
居宅介護支援事業所を含め、公的介護保険の指定事業者は賠償責任保険に加入する必要があります。
私は独立時から、介護事業者賠償責任補償に加入しています。
介護事業者賠償責任補償は、以下の掛け金(保険料)で加入できます。
地域の関係者に独立開業のお知らせをする

地域の関係者にも独立開業のお知らせは必要ですよね。
私の場合、所属していた居宅介護支援事業所の閉鎖(平成27年6月30日)の翌日(平成27年7月1日)に自分の居宅介護支援事業所を立ち上げる予定でした。

そのため3ヶ月前(平成27年4月)から、現在の事業所の閉鎖及び新しい事業所の開設の挨拶状を配付していきました。

独立までの3年(平成24年7月~平成27年6月)の間に地域の関係者と良好な関係が築けていたため、独立後もスムーズに連携できました。
3.立ち上げ2ヶ月前にやること
立ち上げ2ヶ月前は、居宅介護支援事業所の指定申請書の作成及び提出が最大の山場です。
そのために電話、FAXの申込みや事務所のアパートの契約、必要物品の搬入等を行います。
電話、FAXの申込み
電話、FAXは居宅介護支援事業所を開業するまでは実際に使用することはありません。
ただし、指定申請書に電話番号、FAX番号を記載する必要があるため、2ヶ月前には申込みをしましょう。
電話:一人ケアマネに固定電話は不要
事務所を空にすることが多い1人ケアマネの場合、固定電話よりもIP電話アプリを代表番号にすることをオススメします。
IP電話アプリであれば、外出中でもスマートフォンから電話に出ることができます。
- 事業所以外でも電話ができる
- 利用料金が安い
- Bluetoothイヤホンを使えば両手が自由になる

私は、SUBLINEというIP電話アプリを使用しています。
FAX:インターネットFAXでどこでも送受信
FAXに関してはインターネットFAXを利用すれば、IP電話アプリと同様に外出先でもFAXの送受信が可能になります。

私が使用しているインターネットFAXはMOVFAXです。
MOVFAXには、以下の2つの料金プランがあります。
スタンダードプラン 個人事業主、小規模オフィス向け |
プレミアムプラン 法人・複数人で利用向け |
|
---|---|---|
初期費用 | 1,000円 (税込1,100円) |
1,000円 (税込1,100円) |
月額基本料金 | 980円 (税込1,078円) |
3,980円 (税込4,378円) |
受信料 |
1ヵ月1,000枚まで無料
1,001枚以上 : 10円/枚 (税込11円) |
|
送信料金 |
1送信2枚ごとに10円 (税込11円)
通信時間条件なし |
|
主要機能 |
イメージ編集機能
マイフォルダ作成
ユーザー作成機能
FAX自動振分け
|
イメージ編集機能
マイフォルダ作成
ユーザー作成 (5ID)
FAX自動振分け
|

私はスタンダードプランを利用しており、1ヶ月の利用料金は1,400~1,500円程度です。


月1,500円程度の利用料金でどこでもFAXが使えるのは、かなりコスパが良いですね!
MOVFAXについて詳しく知りたい方は【2025年最新版】MOVFAX(モバックス)徹底解説!料金・機能・ログイン方法からメリットまでをご覧ください。

事務所にする賃貸アパートの契約

開業の1ヶ月半くらい前には、事務所にする賃貸アパートの契約を済ませ、使用(入居)可能な状況にしましょう。
開業までは実際に事務所を使うことはありませんが、指定申請書に事務所の外観や内観の写真を貼付する必要があるため、この時期の契約が最適です。
事務所に物品を搬入
事務所(賃貸アパート等)と契約し使用(入居)可能になりましたら、居宅介護支援事業所に必要な物品を納品していきましょう。
全ての設備、備品が揃いましたら事務所の内観(事務室、鍵付書庫、相談室)の写真を撮影して、指定申請書に貼付します。

相談室は、個室またはパーテーションなどで仕切られていることがわかる写真、相談室内部の写真でOKです。
指定申請書の提出

ここまでの準備が全てできましたら、いよいよ居宅介護支援事業所の指定申請書を保険者(市区町村)に提出します。
指定申請書の提出時期は開設予定日の前々月の末日までになります。
※例:4月1日開設の場合、2月末日までに提出する。
居宅介護支援事業所の指定申請に係る添付書類は保険者によって異なります。

私の地域での居宅介護支援事業所の指定申請に係る添付書類は以下のとおりです。
- 指定居宅介護支援事業者の指定に係る記載事項(付表1)
- 指定居宅介護支援事業者の指定に係る記載事項(付表1)
- 指定居宅介護支援事業者の指定に係る記載事項(付表1別紙)
- 申請者の登記簿謄本又は条例等
- 従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表(参考様式1)
- 資格証(介護支援専門員証(写真付き)、主任介護支援専門員研修修了証等)の写し
- 就業規則の写し、雇用契約書の写し又は誓約文
- 事業所の管理者の経歴書(参考様式2)
- 事業所の平面図(参考様式3)
- 外観及び内部の様子がわかる写真
- 運営規程(料金表含む)
- 利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要(参考様式4)
- 損害保険証書の写し
- 関係区市町村並びに他の保健医療・福祉サービスの提供主体との連携の内容
- 介護保険法第79条第2項各号の規定に該当しない旨の誓約書(参考様式5)
- 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書(加算様式1-11)

結構提出する書類が多いですね。

一つひとつの書類の記入はそこまで難しくはありません。
記入例のある書類もありますので、焦らず作成していきましょう。
4.立ち上げ1ヶ月前にやること
無事に指定申請書を提出して一息つきたいところですが、開業日からスムーズに業務ができるよう残り1ヶ月の間に実務に直結する具体的な準備をしていきましょう。
新しい介護ソフトへの利用者データの移行
独立後も利用者さんの担当を継続する場合は、新しい介護ソフトに利用者データを移行させる必要があります。
利用者データの移行は時間が掛かるため、開業までの1ヶ月の間にコツコツ作業していきましょう。
事務用品の購入
指定申請書の提出前に鍵付き書庫やデスクなどの備品は納品しましたが、その他にもコピー用紙やクリアファイルなどの実務で使用する事務用品を購入しておきましょう。
指定通知書が届く
開業予定日の前月に保険者で指定申請内容の審査が行われます。
特段の支障がない限り、開業前月の下旬頃には指定通知書が届きます。

指定通知書が届いた時は、受験の合格通知書が届いたような喜びがありました。
ここまでの全ての準備を終え、指定通知書も届けばあとは開業日を待つだけです。

晴れやかな気持ちで開業日を迎えましょう!
5.まとめ:居宅介護支援事業所 立ち上げ準備チェックリスト
居宅介護支援事業所の立ち上げには、多くの手続きや準備が必要です。何から手をつければ良いか分からなくなってしまうこともあるかもしれません。
そこで、立ち上げまでのスケジュールを管理できる「立ち上げ準備チェックリスト」を作成しました。
このチェックリストは、時期ごとにやるべきことを整理しています。
完了したタスクの項目をクリックしてチェックを入れることで、ご自身の進捗状況を簡単に管理することができます。
チェックした状態はご利用のブラウザに自動で保存されるため、いつでも最新の状況を確認することが可能です(※別のパソコンやスマートフォンで見る場合は、チェック状態は引き継がれませんのでご注意ください)。
事業所の立ち上げという大切な一歩を、このチェックリストが少しでもサポートできれば幸いです。

ぜひ、独立開業の準備にお役立てください。
コメント
お世話になります。
独立して3年目です。ヒトケアさんをもっと早く知りたかったです。試行錯誤しながら立ち上げ、毎月の給付管理にドキドキし、法人として経理ソフトで何とか決算をし、日々のケアマネ業務に四苦八苦しながらもやりたかった独立ケアマネを楽しんでいます。
この度、初めての主任ケアマネ更新で、ケアマネを指導した事例提出に困っています。一人ケアマネですから指導するケアマネも居ないので必須の事例の提出ができません。更新できなければそこで事業は継続できないのですね? やっと立ち上げたのにと、何か方法が有ればと質問しました。独立一人主任ケアマネの指導事例提出は皆さんどのようにされているのでしょうか? 地域包括のケア会議に参加する時間が精いっぱいで、講師等もありません。
コメントありがとうございます。
『この度、初めての主任ケアマネ更新で、ケアマネを指導した事例提出に困っています。一人ケアマネですから指導するケアマネも居ないので必須の事例の提出ができません。更新できなければそこで事業は継続できないのですね? やっと立ち上げたのにと、何か方法が有ればと質問しました。独立一人主任ケアマネの指導事例提出は皆さんどのようにされているのでしょうか?』
→私の場合、地域のケアマネさんに相談をして、その方が担当するケースについてZoomを用いて指導する形を取りました。
他の一人ケアマネージャーの方々も同様の方法を採用されています。
こうした連携を円滑に行うためにも、日頃から地域のケアマネージャー同士の横のつながりを大切にすることが重要ですね。
早々の回答、感謝申し上げます。ありがとうございました。
ZOOMのご提案、ありがとうございます。開始半年後に唯一の近隣事業所が廃止され、その時に一度に11人の利用者を受け入れてから休みが取れない仕事量になりました。この地域での居宅介護支援事業所はうちだけで、ZOOM参加ばかりで他ケアマネさんとの人同士の関わりも無い状態になっています。これからは他ケアマネさんとの関わりが持てるように新規受け入れは調整しようと思います。差し当たって、更新の提出書類では引継ぎ等で関わったケアマネさん(訪看併設の1人ケアマネさん)へ相談してみます。お世話になりました。今後も勉強させて頂きたく宜しくお願い致します。