こんにちは。居宅介護支援事業所で一人ケアマネをしているヒトケア(@hito_care)です。
はじめての方は、「ヒトケアの仕事術」活用ガイドをご覧ください。

接遇マナーについて、どこまで指導すればいいのか悩んでいます。
介護技術やケアマネジメントに関する研修は多くありますが、「接遇」や「ビジネスマナー」について学ぶ機会は、意外と少ないのが現状です。
しかし、実際の現場では、あいさつ、表情、言葉づかい、身だしなみ、来客や電話の応対など、日々のふるまいそのものが、利用者や家族との信頼関係の第一歩になります。
その一方で、
「何をどこまで伝えるべきか」
「どう教えたらよいのか」
が明確でないまま、個々の職員任せになっている事業所も少なくありません。
そこで今回、接遇やビジネスマナーを体系的に整理した「接遇マニュアル」のテンプレートを作成しました。
- 1ページ1テーマで、あいさつ・電話・来客対応などをわかりやすく整理
- チェックリストや図解つきで、現場ですぐに使える
- Wordで編集でき、事業所用にカスタマイズも可能
このマニュアルを使えば、接遇マナーの「見える化」「共有」ができ、新人教育やOJTの効率化、現場対応の質の向上につながります。

現場での接遇に課題を感じている方、ぜひご活用ください。
\【介護事業所・ケアマネ向け】接遇マニュアル/
当サイトからダウンロードできる各種テンプレートは、以下の記事にて紹介しています。
第 1 章 接遇マナーの5原則

介護の仕事は、人と人との関わりを大切にするサービス業です。
利用者や家族に安心と信頼を届けるためには、介護技術や知識だけでなく、日々の接し方や態度が重要な意味を持ちます。
この章では、すべての職員が共通して意識すべき接遇マナーの基本を、「5つの原則」に分けて整理しています。
一つひとつの行動が、相手の心にどう届くかを考えながら、実践につなげていきましょう。
1-1. あいさつ
🔷 目的・ねらい
あいさつは、信頼関係づくりの第一歩です。利用者や家族、同僚との良好な関係は、すべてこの基本的なやり取りから始まります。
📖 解説
あいさつは、相手の存在を認め、信頼や安心を伝えるための大切な行動です。
利用者や家族に対しては、やさしい表情と落ち着いた声で、はっきりと聞こえるようにあいさつを行います。時間帯に応じて「おはようございます」「こんにちは」「失礼します」など、適切な言葉を使うことも大切です。
あいさつの際には、相手の目を見ることを意識し、軽くお辞儀を添えるとより丁寧な印象を与えることができます。相手が気づいていないときでも、こちらから先に声をかけるようにしましょう。
職員同士に対しても、同様に明るく気持ちのよいあいさつを心がけることで、職場全体の雰囲気が良くなり、連携や報連相のしやすい環境づくりにもつながります。
✅ チェックリスト
□ 目を見て笑顔であいさつしている
□ 利用者にも職員にも、時間帯に合ったあいさつができている
□ 小声や無表情になっていない
□ 返事を「はい」「ありがとうございます」などではっきり返している
1-2. 表情
🔷 目的・ねらい
表情は、言葉以上に多くの情報を相手に伝える重要なコミュニケーション手段です。介護の現場では、相手に安心感や親しみやすさを与える穏やかな表情が求められます。特に初対面の場面や緊張感のある状況では、表情一つで雰囲気が大きく変わります。
📖 解説
表情には、言葉だけでは伝えきれない感情や思いが自然と表れます。介護の現場においては、利用者が職員の表情から「今、話しかけてもよいか」「この人は信頼できるか」といった情報を敏感に読み取っています。
無表情や険しい表情は、相手に不安を与え、心理的な距離を生む原因となります。一方で、自然でやわらかな笑顔は安心感と信頼を生み出し、言葉以上に深い信頼関係の構築へとつながります。
また、職員同士のあいさつにおいても、笑顔を交えることで職場の雰囲気が明るくなります。特に業務が多忙なときこそ、周囲への表情の配慮が重要です。
自分では普段通りのつもりでも、他人からは「不機嫌そう」「疲れているように見える」と受け取られることがあります。そのため、鏡で表情を確認したり、周囲の反応に目を向けたりするなど、日頃から表情に意識を向ける姿勢が求められます。

1-3. 身だしなみ
🔷 目的・ねらい
身だしなみは、安心感や信頼感を与えるための基本的なマナーです。介護現場では、清潔感のある服装や髪型が、利用者や家族に「この人なら任せられる」という印象を与える要素となります。
📖 解説
身だしなみは、ファッションや個性とは異なり、「相手に不快感や不安を与えないための最低限のマナー」です。特に介護の現場では、衛生・安全面からも適切な身だしなみが求められます。清潔な制服、適切な髪型、過度でない香水や化粧、爪の手入れなどが基本です。
また、服装や身なりが整っていることで、利用者や家族に「きちんとした対応ができる人」という印象を与え、信頼感につながります。
身だしなみを整えることは、自分のモチベーションを保ち、業務へのスイッチを入れる効果もあります。日々の習慣として、出勤前に鏡で確認することを心がけましょう。
✅ チェックリスト
☐ 制服や衣服に汚れ・しわ・破れがない
☐ 髪型が整っており、業務の妨げにならない
☐ 爪が短く、清潔に保たれている
☐ 香水や整髪料の匂いが強すぎない
☐ 名札を正しく着用している
1-4. 言葉づかい
🔷 目的・ねらい
介護現場での言葉づかいは、相手への敬意と思いやりを伝えるうえで重要な役割を果たします。丁寧でわかりやすい表現を心がけることは、利用者や家族に安心感や信頼感を与えるだけでなく、誤解や不安を未然に防ぐためにも必要不可欠です。
📖 解説
言葉には、相手を励ましたり安心させたりする力がありますが、逆に不快にさせたり信頼を損なったりする力もあります。介護の現場では、年齢や立場の異なる人と関わることが多いため、誰にでも伝わる丁寧でやさしい言葉づかいを心がけることが重要です。
また、慣れから出てしまう「ため口」や「上から目線」、専門用語の多用は、相手との距離感を広げ、誤解の原因にもなります。常に相手の気持ちに寄り添いながら、状況にふさわしい言葉を選ぶ習慣を身につけましょう。
✅ チェックリスト
☐ 利用者・家族に対して敬語(です・ます調)で話している
☐ 会話の中で無意識に命令口調になっていないか注意している
☐専門用語や略語を避け、誰にでも理解できる表現を心がけている
☐ 相手の立場や状況に応じた言葉選びができている
☐ 感謝や共感の言葉を意識的に使っている

1-5. 態度
🔷 目的・ねらい
言葉づかいと同じように、態度も相手に多くの印象を与えるます。介護の現場では、言葉で説明する前に、立ち居ふるまいや体の向き、動作の丁寧さなどから、利用者が安心できるかどうかを感じ取っています。
📖 解説
丁寧な言葉づかいや笑顔があっても、態度が横柄であったり無関心に見えたりすると、相手には冷たく感じられ、信頼関係は築けません。たとえば、立ったまま見下ろす、腕を組んで話を聞く、忙しそうに時計を気にする。こうした無意識の態度が、相手に不安や遠慮を生む原因になります。
大切なのは、相手の立場や目線に合わせる姿勢です。立ち止まって話を聞く、視線を合わせてうなずく、作業中も表情や動作に配慮するなど、日常の動作すべてが接遇につながっています。
また、職員同士の態度も職場の雰囲気づくりに直結するため、丁寧で協調的なふるまいを心がけましょう。
✅ チェックリスト
☐ 利用者と会話するときは、目線の高さを合わせている
☐ 話を聞くときに、うなずきや相づちを入れている
☐ 無言・無表情・ため息など、相手が不快に感じる動作をしていない
☐ 忙しい時でも、雑な対応やぶっきらぼうな態度になっていない

第 2 章 ビジネスマナーの基本

護の現場では、利用者や家族と直接関わるだけでなく、関係機関との連携や社内のやりとりなど、さまざまな場面での「伝え方」や「ふるまい方」が求められます。こうした日々のやりとりの中で、事業所全体の信頼や、職員同士の連携のしやすさが大きく左右されます。
この章では、社会人としての基本である「ビジネスマナー」について、介護職員にも身につけておきたい行動の基準を、場面ごとに整理しています。外部との対応だけでなく、職場内の関係づくりにもつながる内容として、実践の場で役立ててください。
2-1. 職場内の基本マナー
🔷 目的・ねらい
職場内での言葉づかいや態度、報告・連絡・相談のしかたなど、基本的なマナーを身につけることは、信頼される職員として働くための第一歩です。
誰もが気持ちよく働ける職場環境をつくるために、円滑な人間関係やチームワークの土台となる行動を心がけましょう。
📖 解説
介護の現場では、多職種が連携して利用者を支えるため、職員同士の信頼関係がとても大切です。その基礎となるのが、日常的なあいさつ、適切な言葉づかい、正しい敬語、報告・連絡・相談(いわゆる「報・連・相」)です。
また、相手を呼ぶときの呼称、言葉のトーン、表情、SNSや私的な会話の扱いなども含めて、「社会人としての自覚」をもったふるまいが求められます。
一人ひとりの小さな配慮が、風通しのよいチームケアや職場づくりにつながっていきます。
✅ チェックリスト
☐ 出勤時・退勤時のあいさつを忘れずに行っている
☐ 「です・ます調」や敬語を適切に使っている
☐ わからないことを素直に相談・報告できている
☐ 相手の立場に応じた呼び方(役職・敬称)を意識している
☐ SNSや私語など、職場内での情報の扱いに注意している
2-2. 電話応対
🔷 目的・ねらい
電話応対は、事業所の第一印象を左右する大切なコミュニケーション手段です。利用者や家族、関係機関など、さまざまな相手に対して、明るく丁寧な応対ができることが、信頼や安心感につながります。
📖 解説
電話は顔が見えないからこそ、「声の表情」や「言葉づかい」「反応の早さ」が特に重視されます。慌ただしく受けたり、ぶっきらぼうな返事をしたりすると、相手に不安や不快感を与えてしまう恐れがあります。
応対の基本は「3コール以内に出る」「名乗る」「要件を正確に聞き取る」「確認しながら対応する」ことです。特に利用者や家族からの電話では、丁寧に聞き取り、必要に応じて職員に確実に引き継ぐ姿勢が大切です。
また、取り次ぎや伝言を任される場面では、「誰から」「何について」「どう対応したか」を正確にメモして伝えることが重要です。電話応対は慣れが必要ですが、基本を押さえておくことで安心して対応できるようになります。

2-3. メール・文書対応
🔷 目的・ねらい
メールや文書でのやりとりは、相手の顔が見えない分、言葉づかいや書き方ひとつで印象が大きく変わります。適切な書き方や表現を身につけることで、誤解やトラブルを防ぎ、信頼あるやりとりができるようになります。
📖 解説
介護現場では、関係機関や家族とのメール・文書のやりとりが日常的に発生します。その際には、「誰に・何を・どう伝えるか」が明確であること、そして相手への配慮が感じられる文章であることが求められます。
件名がない、本文に挨拶がない、返信が遅れるいったことがあると、相手に不信感を与えたり、必要な情報が伝わらなかったりする原因になります。
文面は常に「相手が読みやすいか」「誤解されないか」という視点をもち、やりとりの目的と必要事項を端的に伝えることが大切です。また、メールは記録として残るため、ミスや感情的な文面が後に問題になることもあります。落ち着いて確認しながら送信する習慣をつけましょう。返信に時間がかかる場合は、「確認中です」など一言を添えるだけでも安心感につながります

2-4. 来客対応
🔷 目的・ねらい
来客対応は、事業所全体の印象を左右する重要なマナーのひとつです。あいさつや対応の仕方、所作や言葉づかいなど、小さな行動の積み重ねが信頼や安心感につながります。
📖 解説
事業所に外部の方(利用者の家族、関係機関、業者など)が訪れる際には、最初に対応する職員のふるまいが、そのまま事業所全体の印象に直結します。丁寧なあいさつ、表情、姿勢、言葉づかい、案内の仕方など、一つひとつの所作に心配りが求められます。
対応の基本は「相手の立場を考えた行動」と「事前準備」です。来客の目的や担当者を事前に把握し、スムーズに案内できるよう連携しておくことが大切です。また、応接の場面では、席次や名刺の扱いなどにも注意し、役職や関係性に応じた対応を心がけましょう。
訪問終了後には、退出時のお見送りや連絡の引き継ぎ、訪問記録の確認なども忘れずに対応しましょう。

2-5. 訪問対応
🔷 目的・ねらい
訪問マナーは、事業所の代表として外部と接する際の基本姿勢を示すものであり、相手との信頼関係づくりの出発点になります。あいさつや時間の配慮、服装や立ち居振る舞いなど、訪問先の立場に配慮した対応が求められます。
📖 解説
訪問時のふるまいは、職員個人の印象だけでなく、事業所全体の信頼にも関わります。丁寧で礼儀正しい訪問は、相手に安心感を与え、関係づくりの土台となります。一方で、時間に遅れたり、無言で入室したりといった小さな行動の乱れが、信頼を損なう原因になることもあります。
訪問の基本は、「事前確認」「時間厳守」「礼儀と清潔感」です。アポイントや必要書類を事前に確認し、当日は余裕をもって行動しましょう。服装や身だしなみにも注意し、入室時には必ず一礼とあいさつを行い、相手の迎え入れる姿勢を確認してから入室するようにします。
また、会話や記録の際にはプライバシーへの配慮を忘れず、室内では不要な視線や動作を控えるなど、相手の空間を尊重する姿勢が大切です。
退室時にも一礼と感謝の言葉を伝え、必要があれば後日のお礼や連絡も丁寧に行いましょう。
✅ チェックリスト
☐ 訪問先には、約束の時間より少し早め(5分前)に到着しているか
☐ 建物に入る前に、コートや上着を脱ぎ、身だしなみを整えているか
☐ 玄関先で名乗り、あいさつと一礼をしてから入室しているか
☐ 玄関で靴を丁寧に脱ぎ、きちんと揃えているか
☐ 要件を簡潔・丁寧に伝え、必要以上に室内を見回さないようにしているか
☐ 退出時に一礼と感謝の言葉を忘れずに伝えているか
2-6. 名刺交換
🔷 目的・ねらい
名刺交換は、初対面の相手との信頼関係づくりの第一歩です。ビジネスマナーの一環として、名刺の受け渡しや挨拶、姿勢などを丁寧に行うことで、相手に礼儀正しさと誠実さを伝えることができます。
📖 解説
名刺交換は形式的なやりとりに見えるかもしれませんが、相手に与える第一印象を左右する大切な場面です。
交換の基本は「立って」「両手で」「相手より低く差し出す」こと。受け取るときも両手で受け取り、すぐに名刺入れの上に置いて丁寧に扱います。複数人での交換の際は、上位者(役職が上の人)から順に名刺交換を行いましょう。
名刺をもらった後は、名前や所属を確認しながら復唱することで印象づけになり、その後の会話のきっかけにもつながります。もらった名刺をすぐにしまわず、しばらく手元に置いて大切に扱う姿勢が重要です。

【ダウンロード】介護・ケアマネ向け接遇マニュアル テンプレート
今回紹介した「介護・ケアマネ向け接遇マニュアル」は、390円でダウンロード可能です。
接遇マニュアルの購入方法は、以下のとおりです。
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