地域で開催したBCP研修・訓練(自然災害編)の実践事例を追加しました。
こんにちは。居宅介護支援事業所で一人ケアマネをしているヒトケア(@hito_care)です。
はじめての方は、「ヒトケアの仕事術」活用ガイドをご覧ください。

BCPの研修・訓練をどのように実施したら良いか、わかりません。
令和6年度からBCP(業務継続計画)の完全義務化に伴い、研修及び訓練の実施が必須要件となります。
しかし、多くの事業所がどのようにしてBCP研修と訓練を行うべきか迷われているのではないでしょうか?
特に居宅介護支援事業所は、直接的なケアを提供するわけではないため、研修や訓練の具体的なイメージを持ちにくいという課題があります。
そこで今回の記事では、居宅介護事業所におけるBCPの研修・訓練について詳しく解説します。
\BCP研修・訓練記録簿/
居宅介護支援事業所のBCPひな形は以下の記事からダウンロード可能です。
1.居宅介護支援事業所BCPにおける研修・訓練のポイント

はじめに、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」(解釈通知)から、居宅介護支援事業所BCPにおける研修・訓練のポイントをお伝えします。
ポイント① 他のサービス事業者との連携による開催が可能

一人ケアマネの場合は、単独での研修や訓練が困難です。
たしかに一人ケアマネの皆さんは、どのようにしてBCPの研修、訓練を行えば良いか戸惑われている方も多いでしょう。
その点について、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」(解釈通知)では、
『業務継続計画の策定、研修及び訓練の実施については、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない』
とされています。

そのため、一人ケアマネや少人数の居宅介護支援事業所の皆さんは、法人内の併設事業所や地域の居宅介護支援事業所との共同でBCPの研修や訓練を開催できるよう働きかけてみましょう。
ポイント② 開催頻度は年1回以上

BCPの研修や訓練はどの位の頻度で行う必要がありますか?
BCPの訓練・研修については、解釈通知に年1回以上の実施をすることが記載されています。
また、新規職員の採用時には別に研修を実施することが望ましいともされています。

ポイント③ 感染症の予防及びまん延の防止のため研修・訓練との一体的な実施が可能
令和3年度の介護報酬改定で、感染症対策の強化として以下の取組が義務付けられました。
- 感染対策委員会の開催※一人ケアマネの場合は、指針を整備することで委員会を開催しないことも差し支えない
- 感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備
- 研修の実施※年1回以上。研修の実施内容についても記録すること。
- 訓練(シミュレーション)の実施

感染症編BCPだけでなく、感染症対策の強化でも研修・訓練が必要なのですか?

感染症の業務継続計画(BCP)に係る研修、訓練については、感染症の予防及びまん延の防止のための訓練と一体的に実施することも差し支えないとされています。

ポイント④ 訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わない

居宅介護支援事業所の場合も実地による訓練が必要なのですか?

解釈通知には「訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わない」とされています。


居宅介護支援事業所の場合、実地よりも机上での訓練の方が現実に即していますね。
ポイント⑤ 研修の実施内容は記録すること

研修は実施をするだけで良いのですか?

「研修の実施内容は記録をすること」と、解釈通知に記載されています。


感染症対策の強化における研修でも記録が義務付けられているので、感染症編BCPの研修と一体的に開催したうえで記録もすれば効率的ですね。
2.居宅介護支援事業所BCPにおける研修・訓練の具体的内容

実際にBCPの研修や訓練をどのような内容にしたら良いか分かりません。
BCPの研修・訓練について、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」(解釈通知)には、以下の記載がされています。
③ 研修の内容は、感染症及び災害に係る業務継続計画の具体的内容を職員間に共有するとともに、平常時の対応の必要性や、緊急時の対応にかかる理解の励行を行うものとする。
④ 訓練(シミュレーション)においては、感染症や災害が発生した場合において迅速に行動できるよう、業務継続計画に基づき、事業所内の役割分担の確認、感染症や災害が発生した場合に実践するケアの演習等を定期的(年1回以上)に実施するものとする。
引用:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について
解釈通知の内容に基づいて、BCPの研修・訓練の具体的内容(案)を提示します。

居宅介護支援事業所は利用者への直接的なケアは行わないため、その点を考慮して具体的内容を作成しました。
BCP研修の具体的内容(案)
- 感染症及び災害対策の基礎知識
感染症の予防及びまん延防止や災害時の基本行動など、感染症及び災害対策の基礎知識を共有します。 - 業務継続計画(BCP)の詳細説明
BCPの具体的内容を職員全員が理解できるよう、BCPの目的、構造、緊急時における連絡体制や対応フローについて詳細に説明します。 - 平常時の対応策
衛生管理の徹底や備蓄品の確認など、非常事態が発生する前に、日常業務の中で実施すべき予防策や準備について理解を深めます。 - 緊急時の対応策
感染症や災害発生の重要業務の継続及び早期復旧を実現するための手順、代替業務、コミュニケーション手段等を学びます。
BCP訓練の具体的内容(案)
- 役割分担の確認
事業所内での各職員の役割を明確にし、それぞれが緊急時に何をすべきかを確認します。 - 事例検討(机上訓練)
感染症や災害事例をもとにしたシミュレーションを実施し、緊急時における通信手段、リモートワーク、情報共有を含めた対応策を検討します。 - 感染症予防措置の訓練
個人防護具の適切な着脱方法や消毒手順等、職員や利用者の健康と安全を確保するための感染症予防措置の訓練を行います。 - BCPの評価及び改訂
訓練の検証を通じてBCPの内容を評価し、必要に応じて改訂します。

緊急時にも「居宅介護支援」を継続するための内容にする必要がありますね。
3.【具体案付き】BCP研修・訓練記録簿


研修や訓練の実施内容を記録する良い書式が見つかりません。

BCPだけでなく、感染症対策の研修・訓練にも使用できる記録簿を作成しました。
今回作成したシートは「初期設定シート」と「記録簿シート」で構成されています。
「初期設定シート」に入力した内容は「記録簿シート」からリストで選択できるようになります。

参考として、先ほど解説した研修・訓練の具体的内容を載せています。
「BCP研修・訓練シート」のダウンロードはこちら。
4.【実践事例】BCP研修・訓練(感染症編)


BCP研修・訓練の実践事例を知りたいです。

私が地域のケアマネ協会で講師を務めたBCP研修・訓練の内容をお伝えします。
BCP研修訓練(感染症)の概要
- 開催目的
少人数(1~2人)の居宅介護支援事業所が感染症リスクに備え、緊急時にも業務を継続できる体制を整える。 - 開催日
2024年11月20日 - 対象者
少人数の居宅介護支援事業所のケアマネージャー - 当日のタイムスケジュール
- 研修: 18:30~19:00
- 訓練: 19:00~20:00
- 質疑応答・発表: 20:00~20:30
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