こんにちは。居宅介護支援事業所で一人ケアマネをしているヒトケア(@hito_care)です。
- 法人への忖度なしに理想のケアマネジメントを実践したい
- テレワークの導入など自由な働き方を実現したい
上記のような理由から「いつか独立開業したい!」と思われているケアマネさんは多いのではないでしょうか?
でも、独立を失敗するのがこわくて一歩が踏み出せません…
今回はそんなケアマネさんの不安を解消できるよう、“ケアマネ独立開業で失敗しないために押さえておきたい5つのポイント”を解説します。
上記のポイントを押さえていれば、ケアマネ独立を失敗する確立を下げることができます。
2015年に独立した私の失敗談も交えてお伝えします。
ケアマネの独立開業の流れを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ポイント①:開業資金を準備する
居宅介護支援事業所の独立をするうえで、最初に準備すべきは開業資金です。
この“先立つもの”がなければ、そもそも開業自体できません。
居宅介護支援事業所の開業には以下の設備、備品等が必要になります。
- 事務所(事務室、相談室、会議室)
- 付き書庫、書庫
- 相談室用の机、椅子
- パーテーション
- 事務机
- パソコン
- コピー機
- 電話
- FAX
- インターネット環境
- 介護ソフト
他の介護保険事業に比べると初期費用は少なく済むとはいえ、まとまった開業資金は必要になります。
居宅介護支援事業所に必要な設備、備品について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください
開業資金の調達方法
開業資金の調達方法としては、
- 自己資金の活用
- 銀行からの融資
と大きく2つの方法があります。
ヒトケアさんはどちらの方法で資金を調達しましたか?
私は全て自己資金を活用しました。
銀行からの融資を受ける場合、
- 返済の負担
- 利息負担
- 担保の必要性
などのデメリットやリスクがあります。
将来、居宅介護支援事業所の独立を検討しているケアマネさんは、今のうちから開業時の自己資金の準備をしていきましょう。
居宅介護支援事業所開設に必要な開業資金は?
ヒトケアさんは開業資金はいくら用意しましたか?
私は法人設立時に110万円を資本金として法人口座に振り込みました。
開業時には先ほど解説した設備、備品に加え、自分自身の役員報酬も開業資金から支払う必要があります。
居宅介護支援事業所の主な収入源である介護報酬が振り込まれるのは翌々月になるため、最低でも開業から2ヶ月間は開業資金(運転資金)から自分の役員報酬を支払うことになります。
事務所を自宅にするか貸事務所にするかや1年目の役員報酬の金額によって必要な開業資金(運転資金)も違ってきますが、私自身の経験からいえば、
居宅介護支援事業所の開業資金は100万円程度必要
というのが結論です。
ポイント②:地域の関係者との信頼関係を構築する
独立を目指すのであれば1つの地域で長くケアマネとしてのキャリアを積んでいきましょう。
そこで築いた地域の関係者との信頼関係やネットワークは、独立後もそのまま継続できます。
私は雇われケアマネの頃から同じ地域でケアマネをしていたため、独立後も地域包括支援センターから変わらず依頼を受けられました。
地域の介護サービス事業者や医療機関とも独立後も変わらずにスムーズな連携ができます。
ところが、これまでと違う地域で独立するとそうはいきません。
どれだけケアマネとしてのキャリアを積んでいようと、別の地域で信頼関係を構築できるまでは時間が掛かります。
包括からの新規の依頼もすぐには来ないかもしれません。
そのため、雇われケアマネの頃から1つの地域でキャリアを積み、地域の関係者とのネットワークや信頼関係を構築したうえで独立をしましょう。
ポイント③:自己管理能力を高める
ケアマネとして独立すると、公私ともに今まで以上の自己管理が必要になります。
私が特に大切だと思う自己管理は以下の3つです。
タスク管理
ケアマネジャーは、
- 利用者さん宅への訪問
- 介護サービス事業所等との連絡調整
- ケアプランの作成
等の様々なタクスが存在します。
さらに独立をすると、会計や勤怠管理などの本業以外の業務も発生します。
それらの多岐に渡るタスクにはそれぞれ優先度や期限があり、正確かつ効率的に管理されなければ事業所運営にも支障をきたす可能性があります。
ヒトケアさんはどのようにしてスケジュールやタスク管理をしていますか?
私はGoogle カレンダーとGoogle ToDoリストを組み合わせてタスク管理をしています。
手帳よりも手軽かつ効率的に管理できますよ。
Googleカレンダーの使い方は以下の記事をご覧ください。
健康管理
独立してから強く意識するようになったのが、自分自身の心身の健康管理です。
なぜなら一人ケアマネの場合、自分が病気や怪我で働けなくなると、事業所運営が立ち行かなくなるからです。
ヒトケアさんが行っている健康管理を教えてください。
私が実践している健康管理は、
- 毎朝のランニング、筋トレ
- 喫煙、飲酒をしない※独立前からしていません。
- 十分な睡眠をとる
- 家族と過ごす時間をもつ
などがあります。
「独立ケアマネは体が資本」であることを念頭において、心身の健康管理を大切にしてください。
お金の管理
独立をすると自分自身でお金を稼ぎ、支出を管理する必要があるため、会計ソフトやExcelなどを利用して、毎月の収支を把握しましょう。
また、独立後は自分で将来のために備えをしておく必要があります。
私は現在、以下の制度を利用して、将来の備えや資産運用をしています。
上記のお金の管理をすることで、安定した事業所運営ができるだけでなく、将来に対する安心感を得ることができます。
小規模企業共済について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ポイント④:経営視点を持つ
独立をすれば一人社長(一人ケアマネ)であっても経営視点は重要です。
私が居宅介護支援事業所の経営で大切にしている視点は以下の3つです。
会計を税理士(会計事務所)に丸投げしない
本業に専念するために会計処理や税務申告などの業務を、税理士(会計事務所)に依頼することは有用です。
一方、税理士に全てを丸投げすることで、自社の財務状況を把握できず、将来的な問題や改善点に気づけないリスクがあります。
また、財務管理に関する知識やスキルを身につける機会も逃してしまいます。
そのため、税理士に依頼する業務範囲を明確にし、自分自身が財務管理について基本的な知識を持ち、日々の帳簿付けや決算書の作成に携わることが望ましいです。
私は会計知識ゼロの状態で独立開業したため、会計事務所が作成した決算報告書の中身もさっぱり分からずにいました…。
その後、簿記3級の資格を取得し、現在は完全に一人で日々の帳簿付けから決算書の作成、税務申告までを行っています。
簿記3級のテキストとしては「スッキリわかる 日商簿記3級」の一冊があれば十分です。
また、「簿記系YouTuber」のふくしままさゆきさんの動画も大変参考になります。
ヒトケアさんの利用している会計ソフトを教えてください
私はfreee会計【freee会計】を利用しています。
freee申告も利用すれば法人税申告書の作成・申告までを自分行えます(セルフ申告)
目先の数字(売上)にとらわれない
独立をすると目の前(毎月)の数字(売上)にとらわれがちです。
なぜなら自分で稼がなければ自分の給与も支払えないからです。
ただ目先の数字にとらわれると、
まだ上の数字(売上)を目指せる
と、数字ばかりを追い求めてしまいます。
短期的にはそれで良いかもしれませんが、長期的な視点に立つと法人の発展にも自分の成長にも繋がりません。
そのため、たとえ目の前の数字(売上)が下がっても価値のある活動に取り組んでいきましょう。
それが将来の発展につながるはずです。
私はそれを信じて“数字を追わずに価値を追う”を心掛けています。
複数の収入源を持つ
一人ケアマネとして経営の安定化を得るには、介護報酬だけに依存しないビジネスモデルを構築する必要があります。
複数の収入源を得ることで
- 収入の安定化
- リスクの分散
- 本業以外のスキルアップ
- ネットワークの拡大
などの多くのメリットを享受できます。
ケアマネ業務以外の収入とは具体的にどのようなものがありますか?
本業以外の収入源としては、
- 法定研修やセミナー等の講師
- 居宅介護支援事業所のコンサルタント
- 企業のアドバイザリー業務
などが挙げられます。
自由な働き方が可能な「独立型居宅」なら、自分の発想と行動力で介護保険にとらわれない働き方が可能です。
独立型一人ケアマネの多様な働き方について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ポイント⑤:SNSを通じて全国のケアマネジャーと交流を持つ
私が「独立前にやっておけば良かった」と強く感じているのが、
「SNSを通じて全国のケアマネさん達と交流を持つ」
ことです。
SNSで全国のケアマネさんと交流を持つことは、以下のメリットがあります。
ネットワーク拡大
SNSを通じて全国のケアマネジャーとつながることで、新しい人脈を構築することができます。
その結果、自分自身のキャリアアップやビジネスの発展につながる可能性があります。
私は居宅介護支援事業所の立ち上げを支援するコミュニティ(たちコミュ)をオンライン(Zoom)で定期的に開催し、全国のケアマネさん達と交流を図っています。
私はTwitterを始めたことで同じ志を持つ仲間と沢山出会うことができました。
ヒトケアのアカウント(@hito_care)にお気軽にご連絡ください!
情報発信
SNSは情報収集のツールとしても利用されています。
自分自身が情報発信を行うことで、他の人からのフィードバックを得ることができ、知識やスキルの向上につなげることができます。
また、情報発信を行うことで興味を持つテーマについて他の人と交流する機会が増えます。
その結果、自分自身の視野が広がり、新しいアイデアや発見が生まれることがあります。
意見交換
SNSを通じて、全国のケアマネジャーと意見交換することで自分の考えやアイデアを深める機会となります。
その結果、ケアマネジャーとしてのケアの質を高めることができます。
私は自分の思考を言語化するツールとしてもX(旧Twitter)を活用しています。
まとめ:“変化対応力”を高めてケアマネ独立を成功させよう
今回はケアマネ独立開業で失敗しないために押さえておきたい5つのポイントについて解説しました。
今後も急速な高齢化の進展や3年毎の介護報酬改定により、外部環境は変化し続けます。
さらにITの進歩により介護業界でも様々なツールも生まれています。
それらの変化にいち早く察知し対応していく「変化対応力」が独立型ケアマネジャーに必要です。
独立型ケアマネならではのフットワークの軽さを活かして、変化を起こし続けましょう!
今回のポイントをおさえたうえで独立の準備を進めていきます!
これからも独立を目指すケアマネさんを応援しています。
それではまたお会いしましょう。
当サイトで販売しているテンプレートの購入方法は、以下の記事で解説しています。
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